人気クイズ番組『今夜はナゾトレ』に出演し、”謎解き”ブームの火付け役でも知られる人気東大生・松丸亮吾さん(23)が、先月「スマホの触りすぎで時間を浪費しているのである箱を買った」とツイート。その箱とは通称”禁欲ボックス”と呼ばれるものなのですが、そのツイートがあっという間に話題となり、18万超えのいいね!がついています。さらに、1万円もする箱にも関わらず現在Amazonなどで品切れが続出しているようです。
禁欲ボックスの正体とは
“禁欲ボックス”と呼ばれる箱の名前は「タイムロッキングコンテナ」。特徴は、最短1分~約10日間までのタイマーを設定すると、自分が指定した時間まではロックがかかり、開けることができなくなります。元々は、アメリカで2013年頃から販売されていた同商品でしたが、日本では2014年から静岡県の「株式会社うるおいをプラス」が正規輸入販売店としてAmazonなどで販売を開始していました。
そのため、以前からテレビやラジオで何度か取り上げられていたものの、関係者によると「松丸さんのツイート後、通常1~2カ月程度で販売していた在庫が2、3日でほぼ売り切れてしまい、現在も品薄状態が続いて驚いています」(株式会社うるおいをプラス・岡本さん)と松丸さんのツイートをきっかけに、かなりの反響を受けているようです。
用途としては、「ゲームを封印するためにコントローラーを入れる」や「節約のためクレジットカードや現金を封印してしまう」以外にも、「中が見えないタイプの商品にプレゼントを入れて、記念日にタイムロックを合わせてサプライズ」などの使い方次第で、いくらでも可能性を見出せる現代人にうってつけの商品となっています。 また、販売国アメリカでは、州によって大麻が合法な地域があるため、”禁欲ボックス”を使うことで大麻喫煙量を減らしたという驚きのエピソードもあります。
しかし、中には「我慢できなくて壊しそう」「蓋を開けなくても壊せば取り出せる」などの懸念の声も。しかし、メーカー関係者の前出・岡本さんによれば、同商品は価格が1万円前後なので、誘惑に負けて壊すことに心理的抵抗があるとし、「壊すことはできますが、コンテナ部分は厚く比較的丈夫ですので、壊すのは容易ではありません。破壊時にケガをする恐れもあり、大変危険なのでおすすめ致しません」というリスクがあると話しています。
なぜこんなにも話題となったのか
そんな中、”禁欲ボックス”こと「タイムロッキングコンテナ」がこれほどまでに反響を呼んでいるのは、やはりスマホの普及によるものではないでしょうか。松丸さんがツイートした「設定した時間の間は絶対にあけられない箱を買った」というツイートには、普段よりも作業効率が上がったことを報告していて、これを受けて「資格取得のために、禁欲ボックスをポチりしました!」「受験勉強のために買ってきます!」などの同じ悩みを抱えていたネットユーザーからのコメントが殺到していました。
最近スマホをついつい触りすぎて時間を浪費してることに危機感を覚えて、「設定した時間の間は絶対にあけられない箱」を買ったんだけど、これ思ったよりもずっと仕事がはかどるようになるのでオススメです。
勉強中に携帯いじっちゃう人とか、仕事中に誘惑に負けやすい人。ぜひ。 pic.twitter.com/YBXW6ovpD8
ADVERTISEMENT — 松丸 亮吾 (@ryogomatsumaru) April 22, 2019
最近では、アーティストのライブやエンターテイメントの公演などでも、観客がスマホで撮影しながら楽しむスタイルが主流となっています。そんな中、昨年1月に、アメリカのスタンダップ・コメディアンとして活躍するクリス・ロックが、イギリスで公演行った際、観客にスマホの使用を禁止したことがありました。
1万人の客が入場する際、スマホを入れるためのロック式の袋を配ったのですが、当時、賛否両論の声が上がっていました。しかし、意外にも公演中にスマートフォンの画面の光や、電話の音に邪魔されなかったことが反響を呼び、公演後には「とても新鮮な経験で、これが未来の姿なのかも知れない」と絶賛の声が寄せられたのです。
このように、昨今、若者のスマホ依存が問題視されていますが、実際、明確な目的もなく1日に数十回、数百回とスマホを触っている時間を、学習や睡眠、運動などに費やし、より有意義な時間を過ごせるというのは現代人の課題ではないでしょうか。そんな”デジタルデトックス”の効果を得たい人にとって「タイムロッキングコンテナ」は効果的なのかもしれませんね。