スーパー銭湯の男湯に、よく若い女性清掃員が入ってくるのが非常に不快―。
弁護士ドットコムには、このような内容の相談が一つ、寄せられていました。
相談者の男性によると、リフレッシュするためにスーパー銭湯を利用する際に、男湯にも若い女性清掃員が入ってくることがよくありました。
中には、笑みをこぼしている女性清掃員もいたことで、男性は「非常に不快な思いをした」と訴えていました。
考えてみたら、そうですよね。
銭湯の仕事内容は、マットやシャンプーの交換などがあります。
しかし、このような仕事は、男女問わず誰でもできることです。
さらに、男性従業員も施設にいる中、わざわざ女性従業員に男湯に入らせて、作業をさせるのでしょうか。
「日本社会において、男性にプライバシーというものはないのでしょうか」
相談者は、このように憤っていました。
銭湯や温泉などの施設に、異性の従業員が入ってくることは問題ないのでしょうか。
今回は、大久保誠弁護士に話を聞くことができました。
「私もたまに温泉の大浴場で女性従業員が清掃のために入ってくる場面に遭遇しますが、この相談者のように不快な思いをしたことはありません。これまで考えてきませんでしたが、これを機に法的に考えてみたいと思います。
これが貸切の浴室であれば、自宅と同じく家族外の者が入ってくることは許されるものではないと考えられます。他人の住居や建造物を覗く行為は、立ち入りが禁止された場所に侵入しているため、建造物侵入罪(刑法130条)が成立する可能性があります。
また、公共の場所での覗き行為は、各都道府県が定める迷惑防止条例に違反することになります。公共の場所以外であっても、軽犯〇法にも違反する可能性があります。
つまり、異性・同性を問わず、従業員が浴場や脱衣所に入ってくることは、プライバシー侵害の観点から問題が生じると考えられなくもなさそうです。
しかし、あくまでも法律上はそう検討できなくもない、という仮説です。」
次に、「プライバシーの侵害とは考えがたい」理由も話してくれました。
「大浴場であれば、他の客がいて、お互いの体を見られることが前提になっており、自宅や個室の浴室と比べるとプライバシーの権利は弱まっているとも考えます。
今回のケースで言えば、清掃の作業は通常、短時間で終了します。特定の男性の体をジロジロと見ない限り、男湯に女性従業員が清掃のため入室することは「正当な業務」です。違法性があるとまでは言えず、プライバシーの侵害とは考えがたいと思われます。
しかし、異性に体を見られることに不快感を感じる方もいます。清掃のために入室する場合であっても、同性の従業員に限る方がこれからはベターと言えるでしょう。施設側には、そのような配慮が求められると考えます。」
ネットでは…
「女湯に男性従業員が入ったら問題になるのに、男湯に女性従業員が入っても問題ない。これは今で言う差別だと思う。」
「女性従業員も嫌なのに男湯で働かされてる場合もあるし。法的にどうこうでなく商業的に経営者側が変わっていくべき問題ですよね。」
「今回のケースで言えば、清掃の作業は通常、短時間で終了します。特定の男性の体をジロジロと見ない限り、男湯に女性従業員が清掃のため入室することは「正当な業務」です。
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今の時代に、これはちょっとビックリ。女湯に男性従業員が清掃で入室しても同じ事が言えるのか?まで突っ込んで書いて欲しい。」
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