新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、開幕まで5ヶ月を切った東京五輪の開催が不透明な状況となる中、
18日現在もIOC(国際オリンピック委員会)が東京オリンピック・パラリンピックを「予定通り」開催する方針を表明したことに対し、IOC委員が「無神経で無責任」と批判しました。
各世論調査でも7割近くが予定通りの開催はできず、延期か中止という見方が広がっている中、
日本政府に対しての“開催強行”の姿勢への疑問が噴出しているというのです。
注目された17日のIOCと国際競技連盟(IF)の協議は波乱もなく、
東京五輪を予定通り開催する方針で一致しました。
その後、IOCは「大会まで4カ月以上あるこの時期に、重要な決断をくだす必要はない。いかなる推測も逆効果だ」と、公式声明を発表。
関係者によると不自然なほど、延期や中止の議論は出なかったといいます。
世界保健機関(WHO)が「パンデミック(世界的大流行)」を宣言した11日以降も、
IOC、組織委、日本政府は通常開催を主張し続けているのですが、
今後、先行きが不透明な中での“強行”姿勢に、反発の声が大きくなり始めているというのです。
元アイスホッケー選手でIOC委員を務めるカナダのへイリー・ウィッケンハイザー氏は自身のツイッターで、
新型コロナウイルスの感染拡大について、「この危機はオリンピックより深刻だ」と指摘しました。
そして、IOCが17日に予定通りの開催を表明したことについて、「無神経で無責任」と痛烈に批判しました。
また、リオオリンピック女子棒高跳び金メダリストのギリシャのエカテリーニ・ステファニディ選手もツイッターを更新し、
「これは4カ月後に状況がどうなっているかではなく、今の問題だ」と投稿。
さらに、「IOCは私たちを危険にさらしている」と批判をしました。
選手からも不満の声が出始めているということで、
陸上男子800メートルのガイ・リアマンス(英国)も、
「五輪の成功を望んでいるが、実現するためにはイベントを延期する必要があると強く信じている」と延期を訴えているといいます。
海外では五輪のロゴを風刺した画像がネット上で出回っており、
5つの輪が重なることなく一定の間隔で並び、
「OLYMPIC GAMES TOKYO 2020」の下に、
「SAFETY DISTANCE(安全な距離をとろう)」と書かれており、
世界的危機が浮き彫りにする祭典の闇に、大会への機運は急速に冷え込んできています。
これら一連の報道を受けて、ネット上ではこんな意見が寄せられています。
「選手の練習も厳しい中果たして
オリンピックに照準を合わせられない今
強行でやるべきなのでしょうか?
やれればいいって問題ではないと」
「日本もわかっているけど、苦しい立場。
日本から延期や中止を申し出れば、それに伴う費用は日本だと指摘される。なのでIOCからの発表を待ってる状態かと。」
「日本は開催国として、何か意見を言っておいたほうがいいと思います。
何もせず、何もできないようでは世界から冷たい目で見られるだけだと思います。」
などのコメントが寄せられていました。