今までは「年中無休」だったチェーンやスーパーマーケット。
現在は、どんどん「元日休業」の動きが広がっています。
関東地方を中心に約300店舗を展開するスーパーマルエツは、なんと、23年ぶりに1月1日を休業にしたことが分かりました。
また、京急ストアも10年ぶりに元日を休業にしたことが分かりました。
外食チェーンの方では、大戸屋も去年に引き続き、大晦日と元日を80店舗以上、休業にすることを発表しました。
人材不足の中、元日休業のメリットとデメリットは果たして、どこにあるのでしょうか。
ラーメンチェーンの「幸楽苑」も、今回は約520店舗の中、創業64年で初めて約8割のお店を大晦日の午後3時から休業にすることにしました。
幸楽苑ホールディングスによると、「2億円弱見込まれる売り上げよりも、スタッフの士気を優先する事で、お客様に対するサービス向上に努めてまいります」とのことです。
また、今年の元日を休みにしたロイヤルホストによると、来年も元日は休みにすると話しました。
こうした「元日休業」の動きは、スーパーマーケットにも拡大しているのが現状です。
成城石井は今年に続き、来年も元日を休業にする予定です。
さらに、元々は元日が休みだったサミットは1月2日を休業にして、3日から営業することを予定していることが分かりました。
このように、「元日休業」が広がっていく中、お店のサービスを利用する客側の意見は一体、どういった反応があるのでしょうか。
「元日はみんな休むべきだと思います。そこまでして働いてもね~っていう。」
「どちらかというと賛成。私も飲食店で働いているのでちょっと休みたいなっていうのが正直な感想」
「サービス業が休むと困る」
「全部休まれちゃうと、こっちが休めなくなっちゃうから」
「昔は3日間お休みでしたからね、(福袋の販売も)4日早朝から。」
そこで、昔は三日間お休みで、ほとんどのお店が休んでいたというが、何をきっかけで年中無休に変わったのでしょうか。
第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣氏によると、「90年代前半くらいまでは元日を中心にお正月は休むというお店が多かったんですけれども、おそらくコンビニエンスストアというものが出現して、他のお店が休んでいるときに営業しようとした事がひとつのきっかけ。」とのことです。
商売のチャンスだったはずの元日、なぜ現在は「元日休業」の動きが広がっているのでしょうか。
永濱氏によると、「端的に言えば2つ理由があって、元日開けても他の日に比べて売り上げがそんなに多くないという事に加え、元日に働いてもらう人には余分に給料を払わないといけないので、結果的に元旦開けても利益は増えにくいというところはあります」と話していました。
人手不足の現在、人材確保のためにもスタッフへの配慮が不可欠という風潮があります。
元日休業を導入した大戸屋ホールディングスでは、「就職活動する学生から好評」とのことでした。
また、就職活動中の男性は、「元日休みってなったら、ちょっと“その企業いいな~”って思います」と話していました。
こうした、企業の価値を高めるメリットがあるとのことです。
どんどん広がる元日の休業の動き。
ついに365日24時間営業がウリのコンビニチェーンにまで広がっていることが分かりました!!
北海道では、コンビニエンスストアのセイコーマートでも元日休業を導入したことが分かりました。
しかし、同じエリアの店を全て休業にしてはならないと配慮し、1193店舗中で671店舗を休みにしたことが分かりました。
セイコーマート広報室の佐々木威知部長によると、「休むお店が多くなりますと当然、配送するドライバーさんもお休みできますし、総菜だとかサンドイッチを製造する工場の従業員も全員ではありませんけどもお休みが取れます」と、元日休業のメリットを話していました。
一方、流通業の方では福山通運が3が日休業、佐川急便が元日の発送業務を休止することになったことが分かりました。