たかがお通し代、されどお通し代……チェーン系居酒屋などで出てくるお通しですが、頼んでないのに出てきますよね。
訪日外国人旅行客が増えている昨今、海外のチップとは異なる日本の商習慣である「お通し代」を巡っては、店と外国人とのトラブルも発生しているといいます。
インバウンド(訪日旅行)ブームが続く沖縄で、海外ではなじみが薄い飲食店の「お通し」をめぐるトラブルが相次いでいることが明らかになっています。
観光客の中には、「これは注文していない」と店員に怒りをぶつける人もいるとのことで、外国人向けに多言語の注意書きを用意するなど、店側は対策を講じているといいます。
そんな飲食店でのトラブルが多発するなかで、最近では、料理や食事マナーを解説するガイドを派遣するサービスを提供する業者も登場しています。
日本の食文化を理解してもらおうと飲食店側は工夫を凝らしているのです。
建て替え工事に伴って仮店舗に移転した第一牧志公設市場近くにある那覇市松尾の居酒屋「若獅子WAKASHI」は2019年1月、お通しに関する注意書きを常備しました。
注意書きは日本語のほか、英語、中国語、台湾語、韓国語が用意されており、「全てのお客さまから500円ずつテーブルチャージを頂いております。テーブルチャージには、お通しの料金が含まれています」という内容が記されています。
店主の渡嘉敷翔太さん曰く、
「外国人観光客の方からお通しに関する苦情を受けることが多かった。トラブル防止のために用意するようにした」
とのことで、同店ではこれまでも、日本独特の商慣習である「お通し」をめぐってクレームを付けられることも少なくなかったといいます。
また、「支払い時に『注文してない』と怒り出したり、インターネットの評価サイトに不満を書き込んだりする人もいた」と店主は話しており、注意書きを置くようにしたところ、目立ったトラブルはなくなったといいます。
飲食店からの依頼を受けて英語や中国語、韓国語など多言語に対応したガイドを派遣するサービスを展開しているのは、「株式会社ゆたしく」(那覇市山下町)です。
広報担当の仲里信秀さんはインバウンドブームが続くなかのトラブル改善について、「通訳だけでなく、料理の解説やその文化的背景などもレクチャーしている」と説明。
同社のサービスを利用するすし店「鮨処もとい」(那覇市西)店主の松田基さんは「ガイドさんが解説してくれることで、『寿司』という食文化そのものを堪能してもらえる」と満足げに語りました。
訪日外国人がどんどん増えていき、居酒屋へ訪れる外国人客も非常に多くなってきました。
こういったところへ訪れる訪日外国人はきっと、日本の食文化を理解したい、体験したと思っているはずです。
従って、居酒屋へ足を運ぶ訪日外国人に対して、お通しが日本の食文化であることをしっかりと説明した上で料金をとることが重要です。
そのためにはまず、日本人がお通しについて真剣に向き合い、理解を深めていく必要があるのではないでしょうか。
この問題を受けネット上からは以下のようなコメントが寄せられています。
「文化や常識が異なるのですから店側がちゃんと説明しないと駄目ですね。よく解るように明示すべきでしょう。それか、もうお通しを廃止するか。お通し無しでメニューや価格を考え直す時期かも知れません。日本人でもちょっと納得しにくいのですから。」
「お通しは日本人にとってはある意味文化だがそれでも残り物を出されたような気になる時がある。それと、自分が嫌いな物が出た時には手を付けないので金だけ取られるのでとても残念な気持ちになる。この様な気持ちになるのは外国人ツーリストも同じだと思う。トラブルを無くす為にももうそろそろお通し文化を止めた方が良いんじゃないかと思う。」
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