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現在、多くの人が「携帯電話(スマートフォン)」を使用している状態であり、固定電話を常用している人は減ってきています。30代以下の世代の中には、自宅に固定電話を引いていないことが多く、20代以下の世代の中には「固定電話を使ったことがない」ということもあるほどです。
たしかに、携帯電話やスマートフォンがあれば電話機器は十分に間に合ってしまうわけなので、あえて固定電話を設置する必要性は高くありません。携帯電話やスマートフォンを契約しているコストに加えて固定電話のコストも上乗せされてしまえば負担が増え、「使用頻度が少ない(ほぼない)にもかかわらず費用が発生している状態は無駄」だと感じる人がいても何ら不思議ではないでしょう。
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しかし、現在でも固定電話を設置するメリットはしっかりと残っています。「携帯電話よりも通話料が安い」「基本使用料が安い」といった料金面のメリットはもちろんありますが、何よりも「信用を得られる」というメリットが非常に大きいです。
すでに、「固定電話を使用したことがない世代が登場している」という状況を紹介しましたが、それはあくまでも一般家庭における話です。家業を営んでいる世帯では、ほぼ100%といった良いほど固定電話が設置されていますが、その理由は「固定電話の方が顧客からの信用を得やすいから」というものです。また、「コスト節約につながる」という理由もあります。
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固定電話を設置するということは、「電話番号と住所が一致する状態」になります。電話番号から住所、契約者名を割り出すことができることからも分かる通り、固定電話の番号というのは所在を証明する一つの手段になります。また、通話料は携帯電話やスマートフォンの比ではないほど安い設定になっているため、頻繁に電話を使用する環境ではコスト節約に大きく貢献します。
日常的に通話を行う機会が多い環境であれば、携帯電話やスマートフォンのみでは対応が不十分になってしまう状況があるため、何か特別な理由でもない限りは固定電話を設置する選択を採用します。そして、以前はこのような状態がごく普通であり、ほぼすべての家庭で固定電話を設置していました。
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恋人や意中の異性に電話を掛けるときには、相手宅の固定電話にかけて個人を指名するような形が普通で、時には相手の両親から電話を断られてしまう可能性もありました。そのため、「あらかじめ時間を指定して電話を掛ける、受ける」といった工夫をしたりしながら愛を深めていくというのが一般的でした。その関係もあってか、「電話を掛けることで受けられるサービス」もたくさん登場しました。
今もなお電話で利用するサービスは多く、「時報(117)」「天気予報(177)」などは良く知られています。インターネット社会となった現在でもこれらのサービスは継続して提供されていているだけでなく、一定の需要を維持し続けています。他にもさまざまな特番サービスがありますが、これは何も公的なものばかりではありません。
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企業が自社の商品やサービスを紹介する目的で設置している特番サービスなどもあり、その中にあるのが「リカちゃん電話」です。「リカちゃん電話」とは、対象の電話番号に電話を掛けることでリカちゃんとお話をすることができるというサービスです。1968年にサービスが開始され、現在まで約50年にわたって「リカちゃん電話」は継続しています。
時代に応じて会話の内容などは変更され、以前よりも格段にクオリティは向上していますが、以前よりも利用者の数は減ってしまっています。現在アラサー以上の世代の女性は、おそらく一度は電話を掛けたことがあるだろうというほどはやったこともあります。