吉高由里子が主演した映画である「蛇にピアス」。様々な話題性から見に行った人が多いのですが、その中には「結末がよく分からない」「何が言いたかったのか分からない」という声もあるようです。2008年に公開された映画ですが、現在でも原作のファンや映画好きの人たちに言及されている作品です。なので今でもその結末の意味が気になっている人が多そうです。そこで今回は、蛇にピアスの結末に関する解説をしていきます。
アマをころしたのは誰か?
作品の終盤で主人公であるルイの恋人・アマが無残な姿でころされてしまったのですが、結局犯人が誰だったのか明確な答えは映画内では説明されていません。そのため犯人が誰なのか分からないと言う人もいるのですが、実際には劇中で犯人を暗示するものが登場しています。
結論から言うとアマをころしたのはシバであり、アマの遺〇に残されていたお香はシバのお店にあったものと同じものなのです。その事実からルイもシバが犯人ではないかと薄々感づいているような描写がされており、明確な答えとして表現はされていないものの犯人がシバであると暗示していると言えます。
どうしてアマはころされたのか
ではアマがシバにころされてしまった理由は何なのかというと、こちらも結論から言うと「アマからルイを奪うため」だと考えられます。徐々にルイを本気で愛するようになったシバは彼女を手に入れるため、アマをころして彼女を自分のものにしたのです。
ただしこの殺〇には決して悪意はなく、むしろ一種のゆがんだ愛情表現の結果ではないかという見解もあります。シバは自他共に認めるサディスティックな性格の持ち主で、相手を傷つけたり苦しめる行為で愛情を伝えていた描写や発言が多く見受けられます。中には「死にたくなったら自分にころさせてくれ」といったニュアンスの発言もあり、肉〇関係を結んでいたアマへの究極の愛情表現として殺〇したのではないかと考えられているのです。
ラストのシーンにはどのような意味があるのか
そして多くの人が分からないと首をかしげているのが、結末に込められた意味です。
蛇にピアスの結末は小説も映画も同じなのですが、ルイがシバと同棲して別のお香を利用するようにしたのは彼が捕まらないようにするためであり、これもシバが犯人だとルイが気づいている描写の一つとなっています。またルイがアマから貰った愛の証を飲み干したのは、愛の証を自分の中に取り込んで自分の一部とするためだと言われています。
そして最後に目に刺青を入れたのは、そうすることでルイ自身が生きる意味を持った事実を表現しているのです。
複雑に見えて純粋な愛の結末
蛇にピアスの結末は一見すると分かりにくいないようだと思われがちですが、込められた意味は非常に純粋なものであり、ルイの愛や人生そのものを描いた内容となっています。結末も含めた評価としては賛否両論ですが、だからこそ多くの人を惹きつける作品として現在でもおすすめされているようです。
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