子宮内で体の一部が結合した双子、結合双生児は、20万件の出生あたり1組の割合で産まれるといいます。東南アジアとアフリカで発生率がやや高いようです。
出生した双生児の半分は死産であり、さらに3分の1は出生後24時間以内に死亡してしまいます。生き残りやすいのは女性の双生児で、死産しやすいのは男性の双生児だそうです。
このような双子は、どんな状態でどのような生活を送っていたのでしょう?様々な結合双生児のケースを紹介します。
1.ロニー&ドニー・ガリオン
ロニーとドニーは、世界一長寿な結合双生児です。1951年、アメリカ・オハイオ州で生まれました。一般人なら、この年齢は長生きと言えませんが、結合双生児において60代まで生存することはかなり珍しいそうです。
二人は、胸から下部のあたりが結合していて、消化管の下部などを共有しています。だが脚と腕はそれぞれ自分のものがあるので、二人で協調して生活を送っているらしいです。
両親は彼らの他にも7人の子どもがいた大家族でした。2人の障害児を面倒見ることが大変で、お二人は結局サーカスの見世物として働きました。二人の結合児は、アメリカ中で有名人となり、大金を稼いで一家の生活を支えました。
二人は30年以上サーカスで働いた後に退職し、稼いだお金で一軒家を購入し、そこで普通の人と変わらない生活を送っているみたいです。
2.ローリ&ドリ・シャッペル
1961年に生まれたローリとドリは、頭部が結合した双子でした。女性の双生児だった二人は反対方向に頭が付いており、脳の30%を共有していました。もっと大変だったのは、二人が全く異なる性格だったことです。
そのため二人は、お互いのプライベートを尊重した生活を送っています。ローリが23歳のときに彼氏と迎えた初夜では、ドリはその行為を静かに見守っていたそうです。
またローリが彼氏とデートするとき、ドリは読書をしてお互いに顔をあわせないようにしていたといいますが、それでもやっぱり大変でしょうね…
ドリは性同一性障害だったため、ドリという名前から現在はジョージに改名し、男性になっています。
3.アビゲイル&ブリタニー・ヘンゼル
アビゲイル&ブリタニー姉妹は、アメリカで1990年に生まれたシャム双生児です。結合双生児の中では珍しいタイプで、体が対称的にくっついており、外見は頭と首が2つある以外、少し胸幅の広い1人の体のようです。
彼女の体には脊髄が2本通り、肺は4つ、心臓は2つ、肝臓は1つ、胃は2つ、腎臓は3つ、大腸は1つ、小腸は1つらしいですね。
二人はそれぞれ片方の腕と脚にしか感覚がないので、両手・両足を使う時はうまく協調しながら動かさなければなりません。ですが人の息はぴったりと合っているので、歩くことはもちろん、走ったり、泳いだりします。しかもその動作速度も一般人と変わらない…!
また二人は自動車の運転免許を持っています。運転は1人ではなく2人でするので、試験を2回受けてそれぞれが免許を取得しました。ハンドルは2人で、ベダルとシフト役、ウィンカー役でそれぞれ分担が決まっているそうです。
双子は性格が全く異なり、好きなものと嫌いなものが明らかに違うといいます。食べ物や洋服、色などほとんどの好みが一致していませんですが、洋服に関しては同じものを着るしかないので、特注でネックラインだけ別々にして個性を強調していらしいです。