1996年、中国の南京で極めて残虐な殺人事件が起きた。女子大学生が殺害され、その遺体が2000もの断片にバラバラにされた状態で発見されたのだ。この残忍極まりない事件の犯人はいまだ不明で、警察の捜査が続いているという。
南京に消えた女子大生
写真:www.molihua.org
1996年1月10日、中国・江蘇省南京市で一人の女性が突然姿を消した。彼女の名前は刁爱青(Diao Aiqing)、南京大学に通い始めたばかりの20歳の女子大学生で、大学近くの寮に住んでいた。この日の夜、刁さんは部屋で友人と夕食を取った後に姿を消した。大学近くの青島路という場所で赤いコートを着た姿で目撃されて以降、その後の足取りは不明である。
写真;marunyu.blog.jp
事件が発覚したのは1月19日の朝、南京市の繁華街である新街口の周辺で、清掃業者が肉片のつまった袋を見つけた。業者が中身を改めたところ、三本の人間の指が見つかった。通報を受けた警察が調べると、袋やベッドシートにくるまれた肉片が、街の周辺から次々に見つかった。また、刁さんの頭部も近郊の龍王山という丘陵地帯で見つかった。断片は全部で2000個以上にもなった。すべて、刁さんの遺体を切り分けた肉片だった。また、死亡したのは1月14日頃とみられ、遺体からは犯人の痕跡はほとんど見つからなかった。
犯人分からず未解決事件に
警察はこの異常な殺人事件に大量の人員を投入して捜査に当たった。しかし、大掛かりな捜査にもかかわらず、容疑者どころか刁さんの足取りすらほとんどわかっていない。犯人逮捕の手掛かりの一つは肉片が入っていた袋だ。青いデニム製のバックパックと『桂林山水』などの文字の入った袋である。犯人は遺体を2000以上に切り分けるという手口から、医学や解剖学に詳しい者である可能性が高い。だが、なぜこのような残虐で手のかかることをしたのかは不明だ。一般に遺体の解体は、遺棄しやすくしたり、身元の判明を遅らせたりする目的で行われる。しかし、本事件では胴体や手足がバラバラになっているのに、頭部は他の部位に比べると破壊されていない。また、指も残っていた。頭部と指紋は被害者の身元判明の決め手となる。
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この未解決事件は中国では有名で、ジャックザリッパー事件やブラックダリア事件と合わせて語られることもあるという。ネット上では、この事件が未解決なのは政府の高官が関わっているためなどと様々な噂が流れているが、証拠はなく、あくまで噂の域を出ていない。事件発生から20年以上たった今でも、現地警察は捜査を続けているという。家族は一刻も早い犯人の逮捕を願い続けている。
2000の肉片になった女子大生
写真:www.molihua.org
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