子どもの胃腸炎
胃腸炎は子どもも大人も、かかってしまうと辛いものです。
特に子どもの胃腸炎には原因がさまざまです。
今回は子どもの胃腸炎について原因、症状、治療法、家でのケアについてご紹介します。
子どもの胃腸炎の原因
胃腸炎とは胃腸に炎症が起きる病気です。
基本的にはウイルスが原因ですが、様々な原因があるので確認しましょう。
1.ウイルス
・ノロウイルス
・ロタウィルス
・アデノウィルス など
*冬期に感染することが多いです。
2.細菌
・腸炎ビブリオ菌
・サルモネラ菌
・病原性大腸菌
・カンピロバクター など
*夏期に感染することが多いです。
3.寄生虫
・ジアルジア属
・クリプトスポリジウム属 など
4.その他
・好ましくないものを口にした場合(薬、植物など)
・アレルギー
・動物との触れあい
・ストレス(精神的要因)
小さな子どもは何でも口に入れてしまうので、ウイルスなどに感染する可能性が高くなります。
またストレスや不安などから胃腸炎を引き起こすこともあります。
乳幼児の胃腸炎
2歳くらいまでの乳幼児の場合、ほとんどがウイルス感染が原因です。
特に「ロタウイルス」は重症化しやすく危険です。
くしゃみなどの唾液から感染するので、保育園や幼稚園などの集団生活で感染する可能性が高くなります。
子どもの胃腸炎の症状
胃腸炎の症状について確認しましょう。
・嘔吐
・下痢…ウイルス性胃腸炎では水下痢が多い。細菌性胃腸炎では、血混じりの便が出るケースも
・腹痛
・発熱
・食欲不振
基本的には嘔吐から始まり、下痢が始まります。
そして食欲不振や発熱などの症状も現れます。
子どもの胃腸炎の脱水症状
胃腸炎で最も起こりやすい合併症は脱水症状です。
嘔吐や下痢で水分が奪われやすくなるせいです。
脱水症状のチェック項目を確認しましょう。
・唇や手のひらが乾いている
・尿が濃い、量が少ない
・顔色が良くない
・元気がなくぐったりしている
・怒りっぽくなる
・口の中が乾いている
・泣いているのにも関わらず、目から涙が出ない
・両目、頭部の一部などがくぼんで(へこんで)いる
脱水症状は危険ですので、素早く察知して水分補給をしてあげましょう。
子どもの胃腸炎の治療法
胃腸炎には有効な薬がありません。
症状やウイルスによって治療法が異なります。
子どもの胃腸炎で使われる薬
1.整腸剤
ビオフェルミン、エンテロノン、ラックビーなどの整腸剤が処方されます。
下痢止めは、胃腸炎の治癒ではあまり使われません。
2.解熱剤
胃腸炎による発熱がある場合、「アセトアミノフェン」などの投与が検討されます。
下痢が止まらない時は内服薬、吐き気が収まらない場合は座薬など、病状ごとにお薬のタイプが選択されます。
子どもの胃腸炎のケア
お医者さんで診断を受けたら、お家で安静にさせましょう。
お家でできるケアも確認してください。
1.水分補給
先ほども書いたように脱水症状が心配です。
水分補給をしっかりとさせてあげましょう。
有効な方法は下記の通りです。
経口補水液
・市販で購入できるものは「OS-1」
・家で作る場合は、湯冷まし1Lに、食塩3g、砂糖40g、果汁(レモンやグレープフルーツなど)を混ぜます
経口補水液の飲ませ方(経口補水療法)
最初はティースプーン1杯から始めて、数分おきに飲ませます。
嘔吐が見られなければ少しずつ1回に飲む量を増やしていきましょう。
一度にたくさん飲ませると吐いてしまうこともあるので気をつけましょう。
2.食事
消化の良い食事を与えましょう。
食物繊維の多い食べ物は消化に悪く、刺激や脂肪の多い食べ物は位に負担をかけるので避けましょう。
おじや、うどん、すりおろしりんご、スープ、豆腐、ヨーグルトなどがおススメです。
3.お風呂
発熱がある場合や、嘔吐や下痢の症状がひどい場合にはお風呂は控えましょう。
症状が軽くなった場合には、短い時間の入浴なら可能です。
夏場などはお風呂に入れないと汗で気持ち悪くなります。
お湯で濡らしたタオルで体を拭いてあげましょう。
子どもの胃腸炎まとめ
胃腸炎は毎年、多くの子どもたちがかかります。
脱水症状で命を落とすこともあるので、油断は禁物です。
重症化することもあるので、胃腸炎が疑われるときには、医師の診断を素早く受けるようにしましょう。