「Siri、911番に電話」
この言葉を、どれくらいの人が使ったことがあるのでしょうか…。
この言葉で、命拾いした人がいました。
場所は、米アイオワ州 チャールズシティ。
氷のように冷たい川の中に車ごと突っ込んだゲール・サルシドさん(当時18)は、とっさにそう叫んでいたといいます。
彼は、ジープを運転して同州北部のコミュニティーカレッジに向かう途中、道路の凍結部分に乗り上げて車が制御できなくなり、気が付くとウィネバゴ川に突っ込んでいました。
「どうしたらいいのか分からなかった。ただ、頭の中で『死ぬかもしれない』と思った」。
サルシドさんは、車が沈んでしまうことを恐れて窓を開けました。しかし、流れ込んできた水は、氷点下の冷たさ。
「iPhoneはどこにあるのか分からなかった。そこで音声アシスタントのSiriを使って助けを求めた。」
「手は凍りついたようで、足の感覚もなくなった。ずいぶんもがいた。水はあまりに強かった」
「何度もつまずいたけれど、そのたびに助けてもらい、全力を振り絞って脱出した」
救急隊員の助けを借りて川から脱出したサルシドさんは、救急車で病院に搬送されました。幸いにも、大きな怪我はなく、ショック症状の手当てを受け、数時間後には帰宅できたとのことです。
この他にも、整備中の車が落ちてきて下敷きになった人が、Siriを使って通報し救助されたり、4歳の少年が母親を救ったり等、いくつか音声認識によって命を救われた事例が報告されています。
iPhoneには「緊急電話機能」があり、ロック画面の左下にある「緊急」をタップすればダイヤルできます。指紋認証もパスコードの入力も必要ないため、iPhoneの持ち主でなくても利用できますが、日本では110番(警察)と119番(消防/救急)、118番(海上保安庁の緊急通報用電話番号)に限定されているそうです。
Siriを利用して緊急電話をかけることも可能です。「Hey、Siri」と呼び掛けてSiriに命令できるiPhoneであれば、「Hey Siri、110番に電話して」や「Hey Siri、救急車を呼んで」などと話しかけると、上記の緊急通報用電話番号を選択する画面が現れるといいます。
やっぱHey Siriって言うの恥ずかしい🍎 pic.twitter.com/yKJxhYrnq0
— 神保賢志 (@jim_satoshi) July 6, 2017
日本では、「Hey, Siri」と言うのは恥ずかしいという意見も多いですが、いざという時に使用できるよう、せめて使い方くらいはマスターしておく方が良いかもしれません。