我々現代人は日々多忙な日常生活を過ごしていますよね。仕事をしていながら感じるストレスが原因で心身に支障をきたす「燃え尽き症候群」というものがありますが、実は、独立して心臓血管疾患リスクになるとする研究結果が報告されているんです。
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調査はイスラエルにある医療センターの定期検診受診者を対象に、年齢は19-67歳の8,838人の男女を対象として平均3.
4年追跡調査されることになりました。調査開始時点における対象者の燃え尽き度合いは、「シーロム-メラメド燃え尽き度指標」を用いて点数化されましたが、その後、急性心筋梗塞・虚血性心疾患・狭心症といった心血管疾患の発症が追跡調査され、燃え尽き度合いとの関係が調べられました。追跡期間中に93例の心血管疾患がみられました。
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年齢、性別、家族歴、喫煙といった交絡因子を調整して解析した結果、燃え尽きの傾向がある者は、ない者に比べて41%も心血管疾患リスクが高いことが明らかになり、特に燃え尽き度指標が高かった上位2割の人々は、79%も心血管疾患の発症リスクが高まっていたそうです。
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この研究を通して研究者たちは、仕事における燃え尽き症候群は、それだけで心臓疾患リスクになるようだと、このように考察しているそうです。さらに長期にわたる追跡期間を経れば、もっとこの関係がはっきりと示されることは間違いないでしょう。また、今回の研究により、燃え尽き度と、肥満や不眠、不安障害との関係も示唆されているそうなので、人生における仕事のストレスの影響が、如実に示された研究といえるでしょう。