生放送は視聴者がリアルタイムで内容を楽しむことができるので人気がありますが、テレビ局側としては内容を編集できないというリスクも持ち合わせています。生放送中のミスやハプニングは放送事故とも呼ばれますが、その放送事故の代表格とも言えるのがめざましテレビで起きたアナウンサー転落事故でしょう。看板女性アナウンサーがビルから転落するという非常にショッキングな様子がお茶の間に流れてしまったのですが、詳細はどんな内容だったのでしょうか。
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◼︎アナウンサー転落事故の詳細
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事故が起きたのは1998年とかなり昔のことですが、当時転落する現場が朝のお茶の間にそのまま流れてしまったためショックを受けた人も多く、今でも鮮明に覚えているという人が多いでしょう。災難にあったのは菊間千乃さんという女性アナウンサーで、めざましテレビ内で自分のコーナーを持つほどの人気者でした。その日、菊間アナのコーナーでは地震や火災などが起きた際にビルの5階からロープを使って降下するという訓練内容を放送することになったのですが、装備を整えて降下を始めたところ、全くブレーキが利かずにそのまま5階の窓から落下してしまったのです。本来ならブレーキが付いているのでゆっくりと降下できるはずだったのですが、菊間アナが降下を始めても全くブレーキが効きませんでした。念のため落下地点には分厚いマットが引いてあったので菊間アナが亡くなってしまう最悪の事態は避けられましたが、やはり5階から転落した衝撃は凄まじく、菊間アナはそのままぐったりと意識を失ってしまいました。全く動かない菊間アナの姿に、視聴者はもちろんめざましテレビの出演者達も呆然自失となっていました。その後はカメラが急遽切り替わり、出演者たちが何とか別の話題を進行させたのですが、生放送中の放送事故として社会に大きなショックを与えました。
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◼︎どうして転落事故が起きてしまった?
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このような事故が起きてしまった原因は、本来ブレーキの役目を果たすはずだったフックがしっかりと装着されていなかったことです。フックを建物内の頑丈なものにひっかけ、そこを支えにしてゆっくりと降下するはずだったのですが、事故の際は室内にあったソファの足にフックがかけられていたようです。菊間アナが降下する重さやエネルギーに耐えられなくなったソファが動いてしまい、フックが外れたことでそのまま落下してしまったと言われています。番組スタッフもまさか重いソファが動くとは思っていなかったのでしょうが、命綱なので絶対に動かない場所に着けておいてほしいですよね。また、当時敷かれていたマットも厚みがあまりなく、衝撃を吸収する力が足りずに意味を成さなかったとも言われています。念のためのつもりで簡単なマットを引いていたのでしょうが、万一を考えればもっと厚みのある柔らかい素材のマットを引いておくべきだったと言えます。その証拠に、事故によって菊間アナは腰椎を圧迫骨折して全治3ヶ月という重傷を負ってしまいました。5階から落下してこの怪我で済んだのは幸いと言えますが、菊間さん本人にとってはたまったものではありません。現在では菊間さんの怪我もすっかり治って元気に活動されていますが、トラウマになっているでしょうね。
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◼︎まとめ
生放送は一体感を持って見ることができるので視聴者も大いに楽しめるのですが、一歩間違えればこのように最悪の瞬間を放送してしまうというリスクもあります。番組を作る側にとっては様々な対策をしなければならず、ハードルも高いですが、菊間アナの事故を教訓としてくれぐれも安全管理には注意してほしいところです。テレビ業界でも最悪の放送事故の一つに数えられているので、今後は二度と同じような事故が起こらないように、楽しい番組作りを目指してほしいですね。