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脳の容量は決まっている?覚えられる量は?


パソコンのデータを記録するハードディスクの容量で一般的なのは1~2TB(テラバイト)ほどです。一方で人間の脳はだいたい1000TBの容量を持つと言われています。CDで例えれば約200万枚分にも及びます。

 


写真:matome.naver.jp

それだけ聞くと非常に膨大な量を記憶できると感じてしまいますが、実はそれほど余裕があるわけではありません。人間の脳というのは、基本的に「思考」「記憶」「早期」「予測」「実行命令」によって成り立っています。このすべての動作をコンピューターが行うためには、相当数のプログラムを要するはずです。それを人間の脳はいとも簡単に行っているわけですから、一般的な記憶媒体とは比較にならないほどの容量を瞬時に使用していると考えられるでしょう。point 286 | 1

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写真:wonderopolis.org

記憶のメカニズムは、ハードディスクのように一つの現象が脳細胞に入り、やがて埋め尽くすといったものではありません。長い期間をかけて神経系を構成しているニューロンという回路でネットワーク化されていくものであり、実質無限大に使うことも可能です。ただし記憶は常に脳の中に保存されているというわけではありません。似たような記憶同士が融合され、雑種の記憶が形成されることも多々あります。

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写真:shutterstock.com

もし思い出せない記憶があるとすれば、それは価値のない記憶として葬り去られたと考えて良いでしょう。類似した記憶はお互いに妨害し合いながら、正常な記憶が表へ現れるのを邪魔します。これにはまだ解明されていない部分もありますが、似たような記憶同士が妨害し合う理由としては、脳にある神経回路も類似性を持っており、脳がそれで混乱を起こして記憶が機能しなくなる現象が起きるようです。言語を学ぶ時にその傾向は顕著に表れます。似た言語であるスペイン語とポルトガル語を学習する際、片方の単語がもう一つの言語の領域内を侵略するように感じることがあります。これはハードディスクの容量が不足したからではなく、新規に習得する情報を脳内でグループ化したり、分類しながら学習しているからこそ発生する不具合なのです。point 416 | 1

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写真:iki-toki.jp

ただこれは長期記憶における事例であり、短期記憶では話が異なります。短期記憶の場合、記憶はあっという間に容量を満たしてしまうでしょう。数個の情報を脳内に入れただけで混乱をきたすのです。紹介されたばかりの人物の名前をど忘れしてしまったり、外出時に家の鍵を閉めたかどうか不安になることも、短期記憶で覚えられる数の少なさが関係しています。

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写真:Youtube

モニターに表示されたランダムな文字列を覚えるように言われても、大抵の人は4つや5つ程度しか覚えることができません。しかし表示させる文字列を有名な固有名詞に変えてみると、案外多くのワードを記憶することができます。これはその文字列を脳がグループ化して覚えているからいくつでも暗記できるのです。物事に大まかな意味を割り当て、一つの塊としてまとめてしまうことにより、人間は記憶を拡張しています。これは学習の過程と同じことで、この手法で短期記憶を長期記憶へと変換しています。point 298 | 1

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写真:pluspiritual.com

脳はだいたいの要素を取り出して、生を受けてから築いてきた分類様式に割り当てていくことにより、膨大な情報を効率良く処理していると考えられています。脳の1000TBもの容量は、思ったほど膨大な量というわけではないのです。一方で個人差もありますが、使い切れていない記憶領域が豊富にあることも事実です。短期記憶を長期記憶へと変えてしまえば、なかなか忘れることのない重要な記憶として脳に定着させることができます。脳の容量を満遍なく使い切るためには、とにかく頭を回転させることが大切です。使えば使った分だけ記憶の量は増加し、定着していくのです。point 341 | 1

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