モンスターが「最強」の称号を手に入れたーー。
ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級トーナメント決勝が7日、さいたまスーパーアリーナで行われました。
決勝でWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26=大橋)がノニト・ドネア(36=フィリピン)に3―0で判定勝利。
5階級制覇のレジェンドを下してWBSS優勝を飾り、ムハマド・アリ・トロフィーを獲得しました。
井上は2ラウンドに右目をカットするアクシデントを乗り越えての勝利で、海外メディアも次々と速報で報じており、
「年回最高試合の候補」と称賛したメディアもありました。
米国のCBSスポーツでは速報として、
「井上尚弥がドネアに立ち向かって、壁を乗り越え年間最高試合の候補となる一戦でバンタム級を統一」
との見出しを取って大きく報じました。
また、「『モンスター』が、日本での戦いで右目の上をひどく切りながらも判定勝ちで生き延びた」
「不屈のレジェンドを相手に自らの偉大さを証明することを強いられた無敗の井上尚弥がWBSS決勝でバンタム級王座を統一し、現代における最高試合の1つを2人の共同作業で作り上げた」
と激闘と井上の勝利を称えました。
ジャッジの判定は、116-111、117-109、114-113というものだったが、僅差で井上が勝利。
「4階級のチャンピオンであるドネアは、井上を痛めつけようと立ち向かった11ラウンドの終わりにボディーショットでダウンを喫したが、信じられないことに立ち上がった。疑いなく殿堂入りできるキャリアにまた一度素晴らしい一章を加えて見せた」
と、11ラウンドに井上の左ボディに悶絶しながらも屈せず、判定にもつれこませたドネアのファイティングスプリットを賞賛しました。
一方、井上の対戦相手・ドネアの地元、フィリピン・スター紙では、
「勇気あるドネア、バンタム級タイトルマッチの一戦で井上に敗れる」との見出しを取り、
「(世界的に)大評判の日本の井上尚弥に判定で敗れたがドネアが凄まじい魂を披露した」と母国の英雄を称えていました。
他にも、英国のBBCでは、「井上尚弥がWBSS決勝でドネアを破る」との見出しを取り、
「井上尚弥がドネアにスリリングな勝利を収め、バンタム級の統一世界王者となりWBSSを制した」と報じており、
記事の内容によると、「パンチの強さから『モンスター』と呼ばれる日本の井上が攻撃を受ける瞬間があり、第2ラウンドの後に(右目に)切り傷を負った。フィリピンのドネアを(右ストレートで)第5ラウンドで仕留めそうに見えたが、第8ラウンドには逆にプレッシャーを受け、相手をダウンさせたのは第11ラウンドのボディーショットだけだった」
と、井上が苦戦した様子をレポートしていました。
4階級で世界チャンピオンになっているドネアは、
日本のさいたまスーパーアリーナでの一戦に多くの興奮をもたらしたようですね。
12ラウンドまで持ちこたえるに値する戦いを見せており、スタジアムも歓喜に沸いていたでしょう。
“レジェンド”ドネアの勇気ある奮戦と、怪我のアクシデントを乗り越えた井上のポテンシャル。
昨夜の熱い戦いに、ネット上からはこんな声が寄せられています。
「ドネアの五階級制覇レジェンドとして意地が凄かった!
戦前は井上が圧倒的に有利で、早い回に終ると予想されたが、ドネアが井上を追い込んでいた。目の上の流血はストップされても文句言えない状況だった!」
「ドネアも過去のどの対戦者よりも強くまさにレジェンド、名王者でした。」
「ドネアという尊敬する伝説の男との戦いを通して、井上は今の自分の限界や、伸び代、そして限界を超える力を知ることが出来たと思いますし、この戦いはきっと井上を更に強くしてくれると思います。」
などのコメントが寄せられていました。