新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、業績が悪化し、希望退職や早期退職に踏み切る企業が相次いでいます。
今月7日、菅総理大臣は緊急事態宣言を再発令し、東京、埼玉、千葉、神奈川では緊迫な状況が続いています。期間は、2月7日までとしていますが、このまま終息せず、さらに、今後もしオリンピックが中止となり、景気失速が発生すれば、私たちの雇用状況にも深刻な影響を及ぼす可能性も…
東京商工リサーチの調べによると、2020年12月7日までに早期・希望退職者を募集した上場企業は90社に達しているとのこと。リーマン・ショック直後は191社と極めて高い水準であり、当時と比較すると社数自体は少ないですが、リーマン・ショックに次ぐ多さであることは間違いありません。
コロナ危機によって外食や旅行、宿泊などの分野を中心に業績が悪化する企業が増えていますが、10月の完全失業率は3.1%とそれほど顕著な上昇にはなっていませんでした。しかし、就業者数は前年同月比で93万人も減少しており、仕事を失っている人は確実に増えています。
日本企業の多くは3月決算となっており、来年3月はコロナの感染が拡大してから、初めての本格的な決算となります。人事部門は各部門の削減人数を確定し、実施公表後に部門長による全員の面談を設定。 その中で残ってほしい社員の慰留とリストラ対象社員の退職勧奨も行われるはず。通常、早期・希望退職募集に際しては事前の準備を含めて3カ月ほどの期間がかかります。 このスケジュールを考えると、すでに募集は始まっており、3月末で退職ということが予想できます。
労働市場において、45歳や50歳を過ぎた年齢で再就職先を探すということは簡単ではありません。昇進昇格によって役職がついていない人は転職したくてもなかなかできないのが現状です。最近では、ノマドワーカーなど個人で仕事を行うスタイルをとっている人も増えてきましたが、家庭を持つ人にとってはこれも容易ではないでしょう。
一日も早く事態が落ち着くことを願わずにはいられません。