子どもを標的にした悪質動画、エルサゲート!
インターネットの動画サイト「YouTube」で、子どもを標的にした悪質動画が広まっています。
子どもをスマートフォンで遊ばせる「スマホ育児」が広がる中、被害は拡大する一方です。
いったいどういった動画なのか?
報道によると、ディズニーの人気キャラクターに似たキャラが映る画面をクリックすると動画が始まります。
最初はキャラクターが絵を描いていますが、排せつ行為や木から転落して流血、女性が挑発的に誘惑する場面が出てくるのです。
子ども向けの動画だと思い見せていたら、子どもに悪影響を与えるような映像に変わってしまうのです。
こうした動画は「エルサゲート」と呼ばれています。
「アナと雪の女王」のヒロインの名と、政治スキャンダルを呼ぶ際に使われる英語の接尾語を合わせた造語だといいます。
スマホ育児
近年、動画サイトを利用して、子どもにスマホで映像を見せる人が多くなってきました。
静かにしなければいけない場所、大人しくしなければいけない場所で、小さな子どもが静かにじっとしているのは難しいものです。
そこで母親や父親は、子どもが好きなアニメの動画をスマホで見せるという行為をする人が増えました。
しかし、このスマホ育児と子どもをターゲットにした悪質動画が出回っているのです。
エルサゲートは、一見かわいらしい作品のため、運営会社の規制をすり抜けているといいます。
さらに自動再生機能があるため、1つの動画が終わると次々と関連動画が再生されます。
つまり、何十分も子どもにスマホを見せ続けることで、エルサゲートが続けて流れるという危険もあるのです。
YouTubeでは現在、ユーザーからの報告を参考にし、不適切な動画を削除しているといいます。
しかし、エルサゲートの数は膨大であり、また育児教育を装った「色を学ぶ」などのタイトルがつけられており、監視が追い付かないのが現状だといいます。
つまりスマホ育児をしている親が注意してあげることが、何よりも大切なのです。
エルサゲート、社会問題化
海外ではすでに、エルサゲートは社会問題になっています。
イギリスでは昨年3月に、BBC放送が「類似の動画が数百件あり、数百万回視聴されたものもある」と伝えています。
さらにアメリカでは、昨年11月にニューヨーク・タイムズが「多くの人が警告している」と報じました。
中国では今月22日に、動画サイト運営者に「不適切な子ども向け動画」の取り締まりを求めたことを発表しました。
現時点では、エルサゲートの背景は不明です。
動画サイトでは動画再生回数に応じた広告収入が得られることから、広告収入が目的ではないかという見方もあります。
日本では今月、ある母親がブログにてエルサゲートの騒動について掲載しています。
日本語版も出ているといい、そこからエルサゲートに対する懸念が広まりました。
専門家などによると、子どもが好きなキャラクターの動画だと思って見ていたのに、エルサゲートだった場合、問題となるシーンを見た時のショックは大きく、トラウマにもなりかねないといいます。
現時点で、動画サイトの運営側が対処しきれていない以上、子どもに動画を見せる保護者側が気をつけるしかありません。
信頼できるサイトを利用する、一度動画を確認してから見せる、自動再生機能を使わない、動画サイトの動画を見せないといった対処法を取りましょう。
エルサゲートの例(閲覧注意)
https://www.youtube.com/watch?v=HQxXD_rw3T4