あなたが今、食べている命
私たちが普段食べているお肉。
毎日食事をしていると、時々忘れそうになることがあります。
しかし確実に私たちと同じように、このお肉たちにも命があったのです。
このお肉たちは、どのように生きていたのでしょう?
今回は家畜の飼育環境について、アメリカを例にとってご紹介します。
日本もほとんどが同じような飼育環境に置かれていると言われています。
鶏の飼育環境について
食肉用の鶏は品種改良のために、たった4ヶ月で野生種よりも3倍以上の大きさに成長します。
急速な成長とその増えすぎた体重が原因で、心臓の病気にかかったり、歩行ができなくなったりすることが多くおきます。
実際に3%が歩行不能状態になり、100匹に1匹が心臓の病気で死亡しています。
卵用に飼育される95%の鶏が、バタリーケージという狭い飼育かごで一生を過ごしています。
一つのケージの中に5~10匹が押し込まれ、一匹あたりのスペースは20cm四方にも満たないのです。
そのあまりの狭さゆえ、ケージや隣のニワトリとこすれあって、羽毛が脱落したり、アザやすり傷が絶えません。
またストレスによるニワトリ同士のつつき合いが広がりやすいため、ヒナの時にクチバシを切断されます。これは日本の80%の採卵鶏で行われています。そのほとんどが無麻酔でクチバシを切断します。
豚の飼育環境について
メスのブタの多くは、妊娠期間檻といわれる振り向くことさえ困難なケージの中に押し込まれます。
そのケージは妊娠期間檻以上に狭く、前にも後ろにもスペースがありません。立っているか、横になるかしかできません。
ブタは生後7ヶ月で妊娠可能になるため、このケージに入った後は、食肉として殺されるまで妊娠・出産・育児を繰り返すためだけに生きさせられるのです。
分娩枠が設置されるのは、本来なら出産前にブタが行う巣作りを制限するためです。野生のブタは出産間近になると、最適な出産場所を探して数km以上歩くことがあります。自分の安全な場所を探すために。
もちろん飼育されているブタでも同様の営巣本能が働き、落ち着かなくなるのです。
なので他のブタを傷つける可能性があり、ケージに収めることが必要になるのです。また、商品となる子供を傷つけてしまうこともあるからなおさらなのです。
自然の状態なら子豚は、独り立ちするのに12~15週間かかるにも関わらず、だいたい3週間ほどで親元から離れさせられます。
その後、麻酔なしで去勢と断尾が行われるのです。
断尾は、ブタが仲間のしっぽを噛み千切ってしまわないようにするためで、去勢は肉に付いてしまうオス臭さと攻撃性を除去するために行っています。
その後6ヶ月間ほど小屋の中で過ごし、市場に売り出せる体重に達すると、トラックで運ばれ殺され人間に食べられます。
牛の飼育環境について
乳牛用のホルスタイン種のオスは、メスと比べて価値がありません。育てても意味がないので、子牛の時に殺され食肉にされます。しかしメスの乳牛の場合でも、5~6年目で乳量が少なくなり乳廃牛となるため、殺されることに変わりはありません。
また子牛は生まれてからたいてい数時間以内に、母親の元から連れ去られます。
離されることが原因のストレスで、病気になったり、エサを食べなくなって体重が減ったり、何日間にも渡って悲痛な鳴き声を上げ続けたりすることがあります。
まとめ
あなたはどう考えたでしょうか。
”肉を食べることを辞めなければならない”と言いたいのではありません。
しかし私たち人間は、殺されるために生かされる命を忘れてはならないと思います。
今日も命をいただきます。