若者というのは何時の時代も独特の言葉を生み出し、それが流行となったり、新しい文化となったりします。流行語大賞などでもネットスラングや新しく若者が作った造語などがランクインすることも珍しくなく、時代を象徴していると言っても過言ではありません。また過去に流行語大賞を受賞した言葉を遡って見てみると、その時の時代背景の確認にも大いに役立ちます。
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いまから一昔前である2010年、2011年の女子中高生ケータイ流行語大賞を見てみると、なんと2年連続して賞を受賞している言葉があり、一つのムーブメントをおこした言葉があります。これが、「あげぽよ」という言葉であり、その認知度や発音の良さから2011年にはユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされるほどとなりました。また「あげぽよ」はセブンイレブンから販売されたドーナツの名称にも採用され、一時多くの人が「あげぽよ」という言葉を使っていたのです。今でこそ殆ど耳にしなくなった「あげぽよ」という言葉ですが、この言葉にはどのような意味があるのでしょうか。point 349 | 1
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この「あげぽよ」という言葉はテンションが上がるようなことが起きたときや、自分のテンションが上がっている時に使う言葉であり、「あげぽよ」の「あげ」はテンションが上がる、あげあげの意味を持っています。それではこの言葉の後半の「ぽよ」にはどのような意味があるのかといいますと、実は意味はありません。「ぽよ」という発音がなんとなくかわいいから、あげあげというより語尾を「ぽよ」にしたほうが可愛く思われるからということで、特に明確な理由はなく語尾は「ぽよ」となっているのです。point 303 | 1
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ちなみに「あげぽよ」の使い方ですが、何かがうまく行ったり、物事が自分の思い通りに進んで上機嫌の時に使われることが多かったほか、好きな音楽を聴いたときや、今から盛り上がりたいときなどにも使われており、何らかのプラスイメージを発信したいときであればわりと自由に使えるというメリットがあります。
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ちなみに「あげぽよ」がユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされた2011年に正式に新語・流行語大賞となった他の言葉を見てみますと、「絆」や「3.point 151 |
11」や「なでしこジャパン」などが受賞しています。2011年は東日本大震災が起きた都市でもありますし、サッカーの女子日本代表がW杯で優勝した年でもありますし、日本中が一つになって頑張ろうという風潮が高まった年でもあります。そうした背景から、テンションを上げてみんなで頑張ろうという思いが「あげぽよ」という言葉を生み、それが日本中に広まっていったと考えられます。point 180 | 1
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なおこの「あげぽよ」という名称を採用したセブンイレブンのドーナツですが、2016年に販売が始まった際にはTwitterなどでちょっとした話題になりました。当時を懐かしむ人の声が多くつぶやかれましたし、この商品名を出してドーナツを購入するのはちょっと恥ずかしいなどといった意見もあり、2012年以降は耳にすることが極端に少なくなった「あげぽよ」は再び注目されるようになりました。この「あげぽよ」というドーナツは現在では販売は終了してしまいましたが、販売されていた当初は1個100円というコストパフォーマンスの高さもあり、「あげぽよ」という言葉に馴染みがある世代を中心に人気の商品となりました。このドーナツが復刻してくれると面白いですね。あらゆる時代で「元気を出そう」といった意味あいの新語や「テンションをあげる」といった意味あいの新語が生まれていますが、「あげぽよ」は非常に可愛らしく「元気を出そう」という意味を表現している言葉だと考えられます。ふとしたはずみに使ってみることをおすすめします。point 514 | 1