夜に暗いのが怖い、という理由などで電気をつけたまま寝る、という方も多いと思いますが、夜に光を浴びることで睡眠を導くメラトニンの形成が抑制され、様々な病気にかかりやすいと言われていますが、それは具体的にどのような症状があるのでしょうか?
電気をつけたまま寝ることによる様々な悪影響
糖尿病の危険増加
写真: contact-journal.com
少しでも明るい光の中で寝ると、インシュリンの抵抗性に悪影響を及ぼすという研究結果が出ているように、これは糖尿病の危険に繋がるとされています。
うつ病の危険性
写真: bokete.jp
明るい室内で寝る人は、暗い環境で寝ている人よりもうつ病やアルツハイマーの危険性が1.9倍高くなるそうです。それだけに室内の照明を調節するのは重要なようです。
脳の機能の低下
写真: s-namini.com
睡眠中の光の露出は脳の機能に悪影響を及ぼすそうです。そのため、次の日には作業記憶能力に支障をきたし、社会生活にも影響を及ぼしかねません。
肥満の原因に
写真: enechange.jp
これはよく言われていることですが、睡眠時の過度な光の露出は肥満の原因まで繋がるんだとか。明るい空間で寝れば寝るほど肥満の程度を測定するBMI数値と下半身に肉が付きやすいことが分かっています。これは寝室の照明だけではなく、テレビをはじめとした各種電子機器、また外部からの光でも似たような影響があると言われています。
目の健康問題
写真: yaplog.jp/nicomon
光による刺激は目から始まり、それは後に体全体にも影響を及ぼします。もちろん目の健康自体も脅かします。目は光を通じ、ものを認知する感覚器官であるだけに、光にはとても敏感に反応します。これは目を閉じていても同じことで、ほんのり明るい光だとしても睡眠時に光を認識し、焦点を合わせようとひたすら活動します。よって、長時間寝ても目に疲労感が残り、日常生活においても目が乾きやすいといった症状が起こります。
子供の身体の成長と脳の発達に悪影響
写真: tokyocanada.com
子供の場合は特に光には注意しなければならないと言います。夜のほんの少しの光でも子供の睡眠環境に影響を及ぼし、さらに夜中にトイレに行く場合に一時的な光も良くないんだとか。特に明るい光は子供のメラトニン生成を90%以上抑制してしまうことで、幼い時ほど光による過敏性が高いです。実際に、15歳~17歳の青少年は他の年代に比べ、ブルーライトに敏感という研究結果も出ているため、子供に対する光の調整は特に気を払わなければならないようです。point 300 | 1
癌の発生率が高まる
写真: suimuuu.com
夜勤が多い社会人が心疾患や各種癌の発生率が高いのも、光の露出によりメラトニン生成能力が低下するためだと言われています。つまり、部屋を完全に暗くした空間で寝るだけでも、体内の悪性癌の生成を予防できます。
照明はどのように調節したらいい?
写真: ikuji-go.com
まず照明の加減を意味する明るさの単位、ルクス(lux、略記号:lx)について説明します。快晴な昼の太陽光は32000~13万ルクス、曇っている時は20000ルクス程度。撮影スタジオの明るさの照明は1000ルクス、窓のあるオフィスや室内は約640ルクス、夜の街頭は160ルクスくらいで、照明がほとんど無い状態でも5ルクスはあるとされています。
写真: 9yoshi9.seesaa.net
最も健康で理想的な照明度を調節する方法は、照明のオン/オフの時間と明るさを調整できる照明や、ホームネットワークシステムを活用することです。日没の時間になるにつれ、暗さによりルクスも低くなるように設定すれば、メラトニンの分泌が正常に保たれます。現代人に不眠症が多い理由も遅い時間までリビングや寝室に明るい照明をつけたまま生活し、ベッドでもテレビやスマホの光が露出するためです。
写真: www.r-toolbox.jp
ベッドで読書をすることもいい睡眠の習慣ではありませんが、本を読まないと寝られないというのであれば、照明の明るさも180ルクス以下に調整しましょう。多くの研究でも照明されていますが、寝室の明るさは完全に暗い5ルクス以下に保つことが理想的です。外部の光を遮断するアイマスクを使用し、途中でトイレで起きた際も照明の露出に注意しなければなりません。専門家によれば、目に光が直接当たらない間接照明を活用し、黄色や朱色、赤色といった暖色系の光は、ブルーライトとは対称的に、目と身体の刺激が少ないため、夜に使用する夜間照明を別に設置することも一つの方法だとされています。point 348 | 1