「碧」とは色を表す言葉の1つで、青色のことを指しています。青は光の三原色の1つで、緑色も含めて「青」と呼ぶ場合があります。青信号は青色というよりは緑色ですし、青菜なども緑色の葉をしていますが、「青」という名が付いています。日本で緑色という色が誕生したのは青色に比べると比較的最近で、その名残が今でも残っているからと言われています。
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青色には一般的に知られている「青」だけではなく、色々な種類があります。淡い色合いの水色や空色などもありますし、濃い色合いの紺色や群青色、藍色なども青色に含まれています。その中で「碧」は、緑がかった青色を表現しています。また、青く澄んで見える石という意味もあり、中国では玉石を表す言葉として用いられています。音読みでは「ヘキ」、訓読みでは「みどり」「あお(い)」と読みます。人の名前に使われる際には、「きよし」や「たま」と読むこともあります。「碧」を使った熟語には、碧雲や碧海などがあります。自然を表している熟語が多いのが特徴です。
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「碧」という漢字には、宝石を表す「王(玉)」と「石」いう漢字が使われています。それに透き通ったように光り輝くという意味を持つ「白」という漢字が組み合わされており、青く透き通った光り輝く宝石を表しています。同じ青色を表現する言葉として「蒼」や「藍」「青」もあります。「蒼」は、少しくすんだ感じの不透明な青色のことを指しています。「碧」に比べると濃い色合いで、紺色よりは薄い色が「蒼」とされています。また、「蒼」は草が深く生い茂る様子を表現した色ともいわれています。「蒼」を使った熟語には、「蒼天」などがあります。「藍」は、深い青色を表す色とされています。元々は、タデシナ科の植物を表す漢字です。「藍染め」として知られるように、藍色は染料として使用されています。藍色は少しくすんだ濃い青色で、暗い色調が特徴です。「蒼」と同様に、紺色よりは薄い色とされています。藍色は、海外ではジャパンブルーと呼ばれることもあります。これは、世界的にも有名な浮世絵で、空や川などを藍色で表現したところからきています。特に浮世絵師であった歌川広重の作品が有名です。それから「青」は、青色の中では最も澄んだブルーに近い色のことをいいます。
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「碧」は訓読みで「みどり」と読みますが、「みどり」と読む漢字には「緑」や「翠」もあります。「緑」は植物の葉のような色を表していると言われています。黄色と青色の中間色で、「碧」よりもよく使われています。「緑」は森林や自然を指す言葉として用いられることもあり、「瑞々しい」が語源になっていると言われています。「翠」は「碧」に非常に近い色とされています。「翠」はカワセミという鳥の羽を表現した色とされているので、「碧」よりも少し鮮やかさ上回る色です。
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近年、子供の名前に「碧」という漢字を使うことが増えてきています。男の子にも女の子のどちらの名付けにも使われています。女の子の場合には、そのまま一文字で「みどり」と読ませることも多くあります。また、「あおい」と読ませる場合もあり、女の子の名前としても男の子の名前としても人気があります。「碧」には宝石という意味もあるので、神秘的なイメージがあるのも人気になっている理由の一つです。空や海の青さといった爽やかさを感じることもできます。
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日本には青色や緑色を表す漢字が「碧」以外にも「青」「蒼」「藍」「緑」「翠」と色々あるので、子供の名前に使う際にはイメージしている色と漢字が合っているかを確認しておく必要があります。名前をつけてから、イメージしていた色とちょっと違うということも少なくありません。