■アルビノとは
アルビノというのは、動物学上では、メラニンの生合成に係わる遺伝情報の欠損により先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患となっている状態のことを言います。先天的なメラニンの欠乏によって、体毛や皮膚は白くなり、瞳孔は毛細血管の透過によって赤く見えます。劣性遺伝や突然変異によってなるのですが、シロウサギやシロヘビが有名なところです。
人間の場合も同様にアルビノというのがあるのですが、割合的には2万人に1人といったところでしょうか。医学上は先天性白皮症と呼ばれます。アフリカ南東部においては、「アルビノ」の体には特別な力が宿ると信じられており、その肉を食べると特別な力を得ることができるという迷信があり、臓器や体の売却や食用とするために、アルビノの人をターゲットにした殺人や誘拐があるそうです。
■日本人と外国人でのアルビノの違い
基本的に人種によるアルビノの違いはありません。アルビノは遺伝的なものもあるため、その発症率が地域によって違うということがあるくらいです。ただ、もともとの肌の色や髪の色などもありますから、アルビノが目立ちやすいかどうかには違いがでてきます。日本人で肌が白く、髪が白ければ、目立ちますが、白人であればそれほど目立たないのではないでしょうか。
■日本人でアルビノの有名人
日本を代表するアルビノの有名人としては、粕谷幸司さんですね。彼はアルビノであるということを活かして、さまざまな活動をしています。ぱっと見では、髪の毛が白く、瞳の色素も薄いため西洋の人のようにも見えます。ですが、顔本来の特徴は日本人のそれですね。
■アルビノと似た色素異常
アルビノのように色素に異常が現れるものには、他にオッドアイというのもあります。これは虹彩異色症と呼ばれ、左右の眼で瞳の虹彩の一部が変色する形質のことを言います。よく見なければわからない場合もありますが、片方にだけカラコンを入れたような状態に見えます。先天性と後天性があり、後天性の場合は徐々に色が変化していきます。
日本人でオッドアイで有名な方と言えば、奥菜恵さんがそうですね。奥菜さんの場合、かなりのレアケースのようで、右目は日本人らしい茶色なのですが、左目が変わっています。左目の虹彩の右半分が黒で、左半分が茶色になっているのです。少しわかりづらいですよね。西洋の人であれば、右がブルー、左がグリーンというように分かりやすいものが多いのですが、日本人の場合は、ベースが茶色という関係で分かりにくいのかもしれません。
■まとめ
アルビノの場合、劣性遺伝ということもあり、寿命が短いという説もあるのですが、これはきちんと立証されているわけではありません。しかも、白蛇などは、神の使いと言われたりしますし、その抜け殻もご利益があると言われますよね。人間のアルビノもそれは、真似ることのできない素晴らしい個性ではないでしょうか。