海に浮かんでいるプラスチックを子供に与えた母アルバトロスは、一日中お腹を空かせている子供にプラスチックを与え続けた。
自分が拾ってきたプラスチックは、人間が捨てたゴミであることは全く知らないまま、お腹を空かせている子供に対する母親の本能であり、母性的な行動だった。
見ているだけで切なさが感じられるこの場面は、北太平洋のミッドウェー島で起こった実際の状況である。
過去、米国で活動する環境写真家クリス・ジョーダン(Chris Jordan)監督は、ドキュメンタリー映画「アルバトロス(albatross)」を公開し、多くの人々の関心を集めた。
2003年、クリス・ジョーダンは、10年間の弁護士生活をやめ環境写真家として活動し始めた。
以降、彼はなんと8年にわたって北太平洋のミッドウェー島を行き来しながら、鳥アルバトロスを観察した。
アルバトロスは翼を広げた長さが3〜4メートルに及ぶ大柄な鳥で、羽ばたきをしていないまま長期間滑空することができるという特徴をもっている。
主に魚やイカなどを主食としており、水の中に潜水したり水面近くで餌を求める。
まさにこのアルバトロスが、人間たちが好き勝手に捨てたプラスチックごみを餌と勘違いして、海からそれをくわえてやってくるのだ。
特に公開された写真の、母アルバトロスがプラスチックゴミを子に与える様子が捉えられた1枚の写真は、切なさを物語っている。
クリス・ジョーダンは、このように自然に悪影響を及ぼす環境問題について研究し、自分が作った映画を通じて環境の深刻さを多くの人に知ってもらおうした。
人間の利己心によって海に捨てられたプラスチックゴミが、自然の中で生きていく動物たちにひどい痛みを与えているからである。
実際に、クリス・ジョーダンが公開した別の写真の中の新しい一匹の鳥は、腹部にプラスチックゴミがいっぱいの状態で亡くなっていることが分かった。これは多くの人に衝撃を与えた。
情報によると、毎年、海に捨てられるプラスチックゴミは年間800万トン以上であることも明らかになっている。
このように、プラスチックゴミのせいで亡くなっていく動物たちの惨めな姿は、環境のために、私たちの態度の変化が必要であることを強く示唆している。