AKB48は、低迷する音楽業界にあって別次元の存在感を見せつけ、ミリオンヒットを当然のようにこなしており、かなり多くの収入を得ることができています。それでいて、グッズ収入やカードゲームなどに付随する収入なども得ており、あの手この手でビジネスを展開しています。こうしたビジネス展開を思いつくのは秋元康さんの手腕によるものが大きく、新規事業に関しては秋元康さんの許可がなければ事実上動かないとされており、こうしたビジネスのほとんどは秋元康さんのプロデュースとなっています。こうしたところから組織づくりの何たるかを学ぶことができます。
写真:日経ビジネスオンライン
権力をAKB48に集中させる
まず、権力をAKB48に集中させるやり方です。
写真:Disney Wiki
AKB48以外にも様々な姉妹グループが存在しますが、その認知度はなんといってもAKB一強状態です。ファンの間ではAKBを本店、他のグループは支店と呼んでいますが、まさに本店に力を持たせ、支店はその次というような構造を作っています。AKB48の楽曲では選抜メンバーがいるものの、全てがAKBメンバーではありません。他のグループのメンバーがある程度入っており、そのことに関しては批判的な見方をする人もいるぐらいですが、秋元康さんは意に介しません。そのあたりにもエグさを感じます。
順位をつけて戦わせる
写真:Technique
どんなイベントにも順位をつけて戦わせるのもエグいやり方の1つです。カードゲームではその順位に応じて、イベントの出演者や立ち位置が決まり、また配信サイトを利用し、ポイントが高ければ、その配信サイトで行われる番組のゲストなどで呼ばれ、露出が増えるといったことがあります。メンバーの頑張り以上にファンの頑張りが問われ、一度推すことになると相当なお金を使わされるのもこのグループの特徴であり、ビジネス手法の1つです。営業ノルマを設定し、それをクリアすれば露出が増えるというような、営業部のような組織の形をしてるのも特徴です。
選抜総選挙
写真:When In Manila
その最たる例が選抜総選挙ですが、元々はファンに選抜を決めてもらうという趣旨で行われてきました。この選抜総選挙がエグいところは、当選したメンバーの順位だけでなく、落選した順位のメンバーが一部だけ発表されるというものです。そうなると、あと数十票で当選できたというメンバーも出てくるため、そのファンは悔やんでも悔やみきれない結果となります。ライバルを設定し、あいつには負けないとばかりに味方同士で切磋琢磨し、結果としてグループ全体の売り上げを増やしていくのもまた秋元康さんが考案したシステムと言えます。