東村アキコは様々なジャンルの漫画を執筆しており、内容はギャグ系からシリアスまで多岐に渡りますが、そのほとんどが大ヒットとなっているすごい漫画家です。なぜ東村アキコはそんなに多くの漫画が書けるのでしょう。その秘密は、彼女自身の引き出しの多さにあるのです。
東村アキコは、自分の趣味を漫画にできる
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東村アキコは多くの趣味を持っている人で、それらを漫画のネタに繋げています。例えば、幼い頃からおしゃれが好きだった彼女は、「きせかえユカちゃん」というモデルを目指す女の子とデザイナーを目指す女の子を中心とした漫画を書いています。作品には可愛い服がたくさん出てきて、見ているだけでも楽しくなります。また、ジャニーズの大ファンでもあり、ジャニーズがメインのアイドル雑誌に、表紙撮影の裏側密着やコンサートのレポなどを届ける漫画を連載しています。東村アキコという一人のファン目線でアイドルのカッコよさを伝えるこの漫画は好評で、とても人気のあるコーナーです。point 368 | 1
東村アキコの周りの人間も、なかなかの個性派揃い
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東村アキコは単行本のおまけページで自分の生い立ちや周りの人間について書くことも多いですが、その中でも一番強烈なキャラクターが父親の健一さんです。一言で天然と言うには足りないその個性の強さが人気を呼び、なんと「ひまわりっ 〜健一レジェンド〜」という連載になり単行本も発売されるほどのヒットとなりました。また、東村アキコの弟は森繁拓真という漫画家で、彼も単行本を発売しています。そして、彼女には一人息子が居ますが、彼の成長記録を描いた育児エッセイ「ママはテンパリスト」が大人気となり、東村アキコの名を多く知られるきっかけになりました。point 360 | 1
自分自身をエッセイ漫画で表現するのが上手な東村アキコ
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初めての子育てでテンパる等身大の自分自身を描いた「ママはテンパリスト」で一躍人気漫画家の仲間入りをした東村アキコですが、その地位を確固たるものにしたのが「かくかくしかじか」です。この作品はマンガ大賞を受賞するほどの大ヒット作となりました。これは彼女の半生を描いたエッセイで、絵を習った恩師との日々や美術大学時代のこと、そして漫画としてデビューする過程などが赤裸々に描かれています。決して順風満帆でもなく、自身の汚い所や弱い所を包み隠さず綴ったこの作品は、東村アキコのこれまでの集大成といっても過言ではない素晴らしい作品です。point 357 | 1
「きれいごと」だけを言わず共感を呼べる東村アキコの強さ
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東村アキコは、自分を美化せずありのままを描いたエッセイで人気になりましたが、その厳しさは自分自身だけでなく読者にも向けられています。それを顕著に表した作品が、ドラマ化もされた「東京タラレバ娘」です。「あの時こうしていたら、ああしていれば」という話題で盛り上がる30代半ばの独身女性3人組を主役にした漫画ですが、これが同世代の女性の共感を呼び大ヒットとなりました。しかしこの作品には、そんな彼女たちに「現実を見ろ」と厳しく言う男性も登場しますが、彼の言葉はそのまま読者の女性たちに伝えたい東村アキコの言葉でもあります。胸をえぐられるような厳しい言葉に女性たちは傷付きつつも、理想ばかりを語ってないで現実に返らせてくれるその言葉を自分たちに言い聞かせています。point 328 | 1
東村アキコのこれからの漫画が楽しみ
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このように東村アキコは、自分自身や周りで起こった出来事を漫画に昇華するのが非常に上手い漫画家です。変に偉ぶったり飾ったりしないリアルさが人気の秘密で、その姿勢が多くの共感を呼んでいます。これからも、彼女が感じた事や体験した事を面白い漫画にして、きっと読者に届けてくれるでしょう。次は東村アキコのどんな引き出しが開くのか楽しみです。