新型コロナウイルスの感染拡大とともに、世界に広がりつつあるのがマスクの供給不足なのですが…。
3月3日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、行きすぎた買いだめ行為などにより、マスクをはじめとする安全・保護用品が世界中で品薄状態になっていると警告。マスクの価格が3~6倍に高騰しているうえ、医療現場でも供給が不十分となり、医師や看護師に危険が及んでいると指摘しました。
アグネス氏の開業医の姉が マスクの製造を始めた⁉
そんな中、タレントのアグネス・チャン氏は2月28日、自身のブログに「姉がマスクを製造」という記事を投稿。その内容は以下の通りですが…。
「 医者である、そして健康食品会社を経営している姉はマスクの製造を始めました!先ずは 300万個を作って、主に医療関係者と年配の方に寄付する為です。一部は利益なしでお客様に売り出します。凄い!『機械を買って、無菌室をあけて、製造にあたる人材をそろいました』と姉は言います。すごいね!尊敬!」(原文ママ)point 218 | 1
この”姉”とは、アグネス氏の実姉で、香港のセントラルにクリニックを構える開業医のヘレン・チャン氏のことです。日本語も堪能で、ドクター・ヘレンといえば、香港在住日本人には有名な存在。
起業家としての顔も持っており、霊芝(マンネンタケ科のキノコ)から抽出したエキスを配合した内服液などを開発・販売するビタ・グリーンヘルスプロダクツ社という企業の代表取締役も務めています。ただ、この霊芝ビジネスをめぐっては、彼女には”前科”がある。2006年、「医師としての立場を利用し、公正に欠ける不当な広告を行った」として、香港医師会から医師免許の2カ月停止、執行猶予2年の処分を受けていたそうです。point 212 | 1
一時は妹のアグネス氏に、日本でマスクを入手してもらった⁉
そんな彼女がマスク製造に乗りだしたことについては、現地メディアも伝えています。ニュースサイト「香港01」(2月28日付)によると、香港と中国本土に数百人の従業員を雇用するヘレン氏は、1月末から2月頭にかけ、彼らに提供するマスクが手に入りにくくなったことを実感。一時は妹のアグネス氏を頼り、日本でマスクを入手してもらったという。
しかし、当初は 8香港ドル(約110円)程度だった日本のマスクの単価も、やがてさらに高騰。医療従事者にマスクが行き渡らない可能性を感じ マスク製造に乗りだすことを決意したという。
ヘレン氏は、香港の空気ろ過材メーカーとの提携によって3月中に300万枚のマスクを製造する予定で、そのうち一部は 医療従事者や高齢者、障害者などに無償で寄付する方針だという。それ以外は、利益を上乗せすることなく1枚 8香港ドル程度で販売するとしています。
香港では美談⁉ でも日本のマスクが香港に渡ったことは複雑…⁉
これは香港人にとっては美談なのでしょうが、同様にマスク不足にあえぐ日本人からすると、日本国内で消費されるべきマスクが香港に渡ってしまったことに関しては 複雑な心境も否めません。
また、日本で購入したマスクは 1枚8香港ドルだったとのことですが、定価であれば 1枚あたり30円~50円の商品がほとんど。いわゆる ”転売ヤー”からマージンが上乗せされた品物を購入した可能性もあるのでは…?。加えて、ヘレン氏が 販売するというマスクも高すぎる気もします。妹が住む国というよしみで、日本も無料寄付の対象としていただければ 感謝歓迎されそうなものですが…。