あまり知られていない事実として、性別適合手術を受けた人の70%が術後3年以内に自殺をすると言われています。性別適合手術とは、心と身体が一致しない性同一性障害の方が、心と身体を統一するために受ける手術です。つまり、男性の身体を女性に、女性の身体を男性に作り替える方法です。
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性同一性障害の方は見た目が男性(女性)なので女性(男性)としての扱いを受けることができないという悩みを抱えています。例えば、見た目が男性であるために男子更衣室で男子の前で着替えなくてはいけない、男子トイレを使わなくてはいけない、男子と入浴しなくてはいけないなど、普通の女性では考えられない生活を送らなくてはなりません。
心も体も一致しているが、恋愛対象は同性であるという同性愛者の方とはここが違います。
こうした違和感をなくすために、性同一性障害の方にとっての本来の性別を手に入れるため性別適合手術を受けます。しかし、メディアなどから与えられる情報は基本的に良いものばかりで、夢や幻想を抱いている人が多くなっているのが現状です。それが理想と現実のギャップを生み、性転換手術後に後悔する人も少なくはありません。
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そもそも性別適合手術は内外性器を別の性の性器に類似した形態を得ることが目的であり、性別を完全に転換することは不可能です。それが自殺者を増やしてしまう要因になっていると考えられています。
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性別適合手術は、本来持っている生殖能力を永久的に失う手術であり、求めた別の性の生殖能力を得ることはできません。ようするに、性的合手術を受けても男性は本物の女性にはなれず、女性は本物の男性にはなれないということです。
ホルモンの摂取をはじめとして、豊胸術や乳房切除手術などにより求める性別の外見を手に入れることができますが、声の高さ、体格、顔などは変化しないため、あくまでも性器を切り取られた男性(女性)でしかないという事実に打ちのめされてしまう人もいます。
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ホルモンを投与することで異性らしい身体にはなりますが、それはあくまでも「らしい」だけなので、特に元々男性だった場合は見た目の違和感で苦労をすることがあります。
顔一つにしてもフェイスラインの丸みなどちょっとしたことが女性らしさや男性らしさに繋がっていますが、男性の骨格に化粧をしても中にはオカマやニューハーフのようにしか見られない方もいますし、見た目が完璧な女性でも声が低く男性のようだとギョッとされることもあるでしょう。そういった方はやはり女性として生きていくことは難しく、そういった問題を乗り越えなくはなりません。
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また、安楽死が認められているベルギーでは性転換に失敗した男性が性転換手術後に精神的苦痛を訴えて2013年に安楽死により死亡しています。元男性に比べると元女性のほうが見た目で認めてもらえるケースは多いですが、それでも自分の中で満足できるかどうかは違います。
整形をしたり声帯を弄ることは可能ですが、性転換手術=性別の転換ではないことは理解しておく必要があるでしょう。
そうした問題から、事前によくカウンセリングを受けずに手術を受けた人の性転換手術後の自殺率はより高くなっているとされています。
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本来の性別を手に入れて、その性別として周りに認められて満足して生きていける人はごく一握りだという話しもあります。
性転換手術後の経過をよくするためには、事前の知識は必ず必要です。経験者の話を聞くこともいいですし、今の自分のままでの生き方を考えてみることも大切でしょう。
本当に必要なことは性別適合手術を受けることなのか、それ以前に変えるべき部分があるのではないか、本質を見誤ってはいけません。