最近は 年齢に関係なく 肩こりや腰痛を訴える人が増えているようですが、体に負担をかけないためにどんなカバンがいいですかと質問された専門医は、まっさきにキャリーケースと答えるそうです。
比較的、体に負担にならない カバン類として順番をつけるなら、キャリーケース→手持ちカバン→リュックサック→ショルダーバッグの順になるといいます。
最悪なのは ショルダーバッグ?
その理由は 体の片側に重さが偏ってかかり、それを体幹(胴体の骨格や筋肉)で支えようとする分、背骨が曲がりやすいからです。
まっすぐに立って胸を張った正しい姿勢がいちばん取りづらいのが、ショルダーバッグなのです。重いショルダーバッグを肩に掛けて、長時間歩いたりすると、腰痛や肩こりの危険性が高くなります。
カバンが肩からずり落ちないように、無意識に左右のバランスを取ろうとするので、体が左右どちらかに傾いて、背骨への負担が大きくなるわけです。そのため 最も肩こりの原因になりやすく、腰も痛めやすくなるそうです。
リュックサックも首や腰に良くない?
そして 次に 負担原因が あげられるのは 以外にもリュックサックタイプなのです。左右のバランスが取れ、両手が空いているので便利であるため ビジネスシーンでもリュックサックを使う人は増えている傾向にあるといえます。
しかし、重いリュックサックを背負うことになると、バランスを保つために、首が前に出て前傾姿勢になりがちで、首や腰に負担がかかるのは当然といえます。
では、ストラップを長くして、低い位置で背負えば背筋が伸びるかというと、体幹との距離ができてしまってよい姿勢を取りづらくなってしまうのです。
リュックが 腰痛 肩こりなどの原因には…
1 ストラップの太さ
実は このストラップの太さが肩にかかる負担と関係しているといえます。ストラップが細いことで肩の中で1点に集中して圧力がかかるため、血流を悪くしてしまいコリができる原因となっている可能性があります。
2 背負った姿勢
背中にリュックを背負った際に体の重心は必ず後ろに傾きます。そして、その姿勢を修正しようとして前かがみの姿勢となります。
その前かがみの姿勢になることは自然なことですが、前に傾けすぎることで首、肩、背中の筋が常に張ってしまい、支えるために力が入るので首・肩こり、腰痛の原因となります。
3 荷物の重さ
リュックには ノートやパソコン、本など様々なものが入れられますが、リュックにすべて入れると背負った際にとても重く感じることがあります。重いと感じる状態で日頃から過ごしていると両肩に過剰の負荷をかけてしまい、肩こりの原因となります。
リュックサックを使用するなら、適度な荷重で、ストラップを締めて背中に密着させて背負い、背筋を伸ばして猫背にならないように気を付けることが前提となります。
意外にも肩こりや腰痛に繋がりにくいのは?
手に持つタイプのカバンです。腕で荷重をコントロールできるため、バランスが取りやすく、姿勢も維持しやすい。ただ、カバンが重すぎて肩から腕がダランと落ちてしまうと、ショルダーバッグと同じように、バランスを取ろうとして体幹への負担が大きくなってしまいます。やはり こちらも、しっかりと腕でカバンを保持できる、適度な重さを心がけることが大切だといえますね。
日本の学生カバン事情には諸々の問題が…
また、日本の学生カバン事情には諸々の問題があります。中高生の使うショルダーバッグは成長期には向きません。特に成長期には、脊柱側彎症という背骨が左右に曲がってしまう病気にかかる可能性もあるそうです。
そのような時期に、教科書や部活道具を詰め込んだ「重いショルダーバッグ」を使うことは危険だと言えるでしょう。手持ちカバンで最低限の荷物にすることが望まれます。
まずは 重さを軽減してみることから
キャリーケースの中には、キャリーだけではなく、手持ちカバンやリュックサックにもなる3ウェイタイプや、お洒落なものも開発されいるようでが、ビジネスシーンに適したもの 学生カバンに適したものは まだ少ないとも言えます。
普段使っている リュックやショルダーに入れる量を調整し、必ず必要なものを厳選したり、多くなった荷物を分けること等で まずは 重さを軽減してみることから始められるのではないでしょうか…