2019年4月19日に起こった東京・池袋の自動車暴走事故。この事故がきっかけで加害者である飯塚幸三元院長の「上級国民」説や、高齢者の免許返納と、少なくとも社会に大きな影響を及ぼしましたが、約1年が経った現在、遺族である松永拓也さんが当時の心境を改めて語りました。
夫・松永拓也さんが1年前の池袋自動車暴走事故について語る
約1年前に起こった池袋の自動車暴走事故により妻・真菜さんと娘・莉子ちゃんを失った夫・松永拓也さん。今年に入り、当時の心境について語りましたが、いまだ事故当時の記憶が鮮明に残っていることがうかがえます。4月19日の朝に仕事に出かける際に見送ってくれた2人の姿が最後になるとは思わなかったと拓也さんは悲痛な思いを語っています。
遺体の顔がズタズタで心が壊れかけたという拓也さん
事故当日、突如警察から「奥さんと娘さんが交通事故に遭いました」という電話がかかってきたという拓也さん。病院に着くと、医師から「即死でした」と伝えられ、到底信じることができなかった拓也さんですが、対面した2人の遺体には、顔に布がかぶせられていたとのこと。まず、真菜さんの顔を見た際、その顔がズタズタになっていたとのこと。その次に莉子ちゃんの顔を見ようとした際、看護師から「娘さんは、見ないほうがいいと思います」と止められたそうです。
莉子ちゃんは、業者の方から遺体を修復するエンバーミングに「顔だけで3日かかります」と言われたほどのひどい損傷だったとのことですが、後日、遺体が自宅に戻った際、どうしても最後に莉子ちゃんの顔を見ようと思い、顔の布を0.
5ミリだけでも下げようとしたそうですが、それだけでも心が折れそうになった拓也さんは「あれ以上、動かしてたら、僕の心は一生壊れていた」と語っています。
真菜さんの人間性に惹かれたという拓也さん
拓也さんは真菜さんのことを人間的に尊敬し惹かれ結婚したとのこと。真菜さんは人の悪口や愚痴を一切言わず、自身に会えたことで「幸せ」と言ってくれたとのこと。そこで「家族を一生幸せにしたい」と誓った拓也さん。その後、2016年に莉子ちゃんをもうけましたが、その際に「大変ながらも充実した子育ての日々が、ずっと続く」と信じていたといいます。
天国で見守っている真菜さん&莉子ちゃんを原動力に生きているという拓也さん
事故からおよそ1ヶ月後には職場復帰したという拓也さん。家族を失ってしまったその悲しみは1ヶ月では到底癒えないことは容易に想像ができますが、それでも拓也さんが現在必死に暮らしているのは天国で見守っている真菜さん&莉子ちゃんの存在があるからこそ。今回の事故をきっかけに「他の人たちの、かけがえのない日常が失われてほしくない」という思いから、拓也さんは今でも精力的に事故防止に向けた精力的な活動を続けています。
まとめ
このように、池袋自動車暴走事故から約1年経った現在、当時の心境について改めて語った拓也さん。一度に家族を失ってしまった拓也さんの心情は計り知れないものがありますが、それでも現在は事故防止に積極的に動くべく前を向きはじめています。それだけに飯塚幸三元院長の犯した罪は大きいですね。