1万分の1の確率で生まれた珍しい白い毛を持ったトラ。
一匹の最大30,000ポンド(約430万円)で取引されることもあるといわれている美しい白い虎を売るために、動物密売業者は残酷で非倫理的な繁殖方法を選択しました。
英国のあるサイトで、人間の欲による「近親交雑」で、ダウン症候群を持ったまま生まれたトラ、ケニー(Kenny)の生涯について報道しました。
全身が真っ白な毛で包まれた白い虎は、一般的なベンガルトラが劣性色素遺伝子を持って生まれたもので、突然変異の一種であります。
しかし、1990年代後半、米国の動物密売業者は、この白い虎の神秘的で美しいルックスが好きな人が多いという事実を知り、野生の白い虎二匹を不法捕獲してきて繁殖を試みることにしました。
そして動物密売業者は血縁関係にあった虎同士を交雑させて子を産ませることに成功し、またその子供たち同士を互いに交雑させて、トラの数を増やそうと試みたのです。
しかし、繰り返し同族間近親交雑で劣性遺伝子が発生する確率が大きくなり、ほとんどの子が生まれた直後に亡くなったり、奇形を持ったまま生まれてしまうとのこと…
最悪なことに、動物密売業者は毛の色が真っ白でない虎や、重度の奇形を持って生まれたトラは、生まれてすぐに残酷に処分された。残りは平均2,000ポンド(約28万円)で取引しました。
実にこのような悪行は、2000年に動物保護団体が彼らの実態を告発するまで続いたといいます。
動物保護団体は、彼らの不法飼育場で生き残った白色の虎一匹を救助することにしました。
近親交雑のためにダウン症候群を持って生まれた虎は、動物密売業者の手によって処分される危機に直面したが、外見がかわいいという理由でかろうじて生き残ったと…
動物保護団体のスタッフは、虎に「ケニー」という名前を付け、米国アーカンソー州にある動物保護施設に保護されることになりました。
これがケニーの写真です。
ケニーはマスコミに写真を公開され、「世界で最も醜い虎」という別名を名付けられてしまったが、性格は楽天的で愛らしい性格で、周囲の人々を楽しませてくれました。
また、保護所でケニーを見にきた多くの訪問者は「幸せで遊び心の多いトラ」とケニーを描写することもありました。
保護所に救助された後、飼育係たちの愛情をたっぷり受けて生きていたケニーだったが、2016年18歳になった年に皮膚病がひどくなり亡くなったと伝えています。
ベンガルトラの平均寿命が25年であることを考えると、ケニーは70%しか生きていないわけなのです。
英国の動物救護団体PETAのスポークスマンエリシャアレン(Elisa Allen)は、インタビューで次のように答えていました。
「未だ人間の欲を満たすためにこのような悪行が公然と行われている」
続けて「これ以上、このような悲劇が繰り返されてはならない。私たちは自然の摂理を尊重しなければならない」と付け加え、野生動物の生活を尊重しなければならないことを伝えました。
とても悲しい現状ですね…