友だちとパーティー中にふざけて…
オーストラリア在住の27歳の男性が、広東住血線虫症に起因するさまざまな合併症を患って、1年以上も昏睡状態に陥た末に2018年11月2日、全身がまひして死亡しました。友人や家族がトーク番組に出演して語ったところによりますと、原因はなんと、8年前に庭にいたナメクジを食べたことだといいます。
2010年、将来を嘱望されるラグビー選手だったサム・バラードさん(当時19歳)は、自宅の庭で仲間たちと飲んでいる最中に、そこへ現れた1匹のナメクジを見かけました。
「ちょっと大人ぶるためのワインだった。その時、ナメクジが這い出てきたんだ」と、友人のジミー・ギャルビンは語りました。「『食べてみせようか?』と言うと、代わりにサムが食べた」
それから数日、バラードさんは身体に力が入らなくなって、その後は足に痛みを覚えるようになりました。心配になって病院に行くと、医師からナメクジに寄生していた広東住血線虫が原因だと診断されました。
広東住血線虫症は線虫が寄生することで引き起こされる病気です。ネズミの肺に寄生し、糞などを通じてナメクジやカタツムリ、カニ、エビ、カエルに感染します。人がこうした生き物を調理せずに食べたり、野菜にナメクジやカタツムリが付いていることに気付かないままよく洗わずに食べたりすると、寄生虫に感染します。幼虫が脳に入り込めば髄膜炎を引き起こします。
サム・バラードさんはナメクジを食べたことで人生が一変してしまいました。
バラードさんは広東住血線虫が原因で好酸球性髄膜脳炎(髄膜炎の一種)を発症、一年以上昏睡状態が続いたと言います。ようやく意識を回復した後も、脳には損傷を受けていました。それから数年間、バラードさんの友人や家族は理学療法によって彼の回復を助けしようとしましたが、バラードさんは体がまひして自力で食べることも、ほとんど動くこともできず、24時間の介護を要する重い後遺症が残ってしまいました。
2018年11月4日、オーストラリアのテレビ番組がバラードさんの死亡を報じました。「番組では2018年に入ってから、サム・バラードさんについてお伝えしました。友人たちにけしかけられてナメクジを食べ、広東住血線虫症にかかってしまった男性です。それ以降、友人たちはずっとバラードさんを支えてきましたが、11月2日、彼は家族と友人たちに囲まれて息を引き取りました。お母さんへの最後の言葉は『愛している』だったそうです」。
まとめ
米疾病対策センターは広東住血線虫症への感染を回避するために、ナメクジやカタツムリ、カエルや海老を生で、あるいは加熱不十分な状態で食べないように呼びかけています。「カタツムリやナメクジを触る時は手袋をして、その後はよく手を洗う。生鮮食品は必ずよく洗う。旅行で寄生虫が多い地域を訪れるときは、生野菜を食べない」
ネットでは、
「意識があるなら食べた事をとても後悔したでしょうね」
「基本的に野生の生物に触れた時は、必ずしっかりと手洗いした方が良い。」
などの反応が続いています。
ふざけて食べたナメクジで死亡まで…本当に怖い事件ですね。