小田扉さんの同名漫画を原作として製作、放送されたのがアニメ「団地ともお」です。「団地ともお」の概要を簡単に説明すると、舞台は架空の団地である枝島団地とその周辺、その中で母親と姉と暮らしている主人公、ともおこと木下友夫と同級生、周囲の大人たちの日常を時にコミカルに、時にシュールに、また時にシリアスに描いている作品です。ちなみにともおと暮らしているのが母親と姉だけであるのは、父親は単身赴任族であるためです。漫画でも一定の支持を得ていた「団地ともお」ですがアニメ化され放送が開始されるや否や、幅広い層から人気を得て話題を集めました。
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昭和初期のなつかしい雰囲気
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では「団地ともお」のどのような点が魅力として人々から支持を集めたのかと言うと、まずは作品全体に漂う、昭和初期を彷彿とさせるようななつかしい雰囲気が挙げられます。そうした雰囲気に、かつて子供だった大人たちは胸が締め付けられるようなノスタルジーを感じ魅了され、そして今の子供たちにとっては、そうした雰囲気は新鮮なもののように感じられると言うのが幅広い層に支持された理由だと考えられます。
子供と大人の交流
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また巨大団地が舞台と言うことで、「団地ともお」においては子供同士、大人同士、あるいは子供と大人の交流が描かれていると言うのも魅力です。こうした交流と言うのはその必要性、重要性が声高に訴えられている一方で、現代社会においては消えつつあるものです。「団地ともお」においては、しかし、そうした交流から生まれる物語も数多く描かれています。こうした交流には、確かに煩わしさのようなものもつきまといがちですが、しかしそれ以上にそこで得られる大切な思い出、経験、感情もあり、それらを作品を通して視聴者が体感できると言うのも、魅力だと言えます。point 338 | 1
ひとつの作品の中で異なる味わいを持つ
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更に基本はコメディ、ともおや同級生たちのおバカな日常を描いている一方で、時にホロリと涙腺を刺激するような話であったり、シュール話があったりと、ひとつの作品の中で異なる味わいを持つ話が繰り広げられていると言うのも魅力です。そのため長く見続けても飽きることがなく、いつまでも「団地ともお」の世界を楽しむことができます。
声優の妙義・プロの技
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また声優の妙義、プロの技を味わうことができると言うのもアニメならではの魅力です。アニメの「団地ともお」においては、主人公のともおやその同級生の少年たちを女性声優が担当しています。しかし女性声優と言っても、少年役を得意とする声優さんばかりであり、ともおや同級生たちの、小学生の男の子らしい活発さややさしさ、おバカなところ、一生懸命なところなどが巧みに表現されており、まさに小学生男児のやりとりをそのまま、目の前で見ているような、聞いているような感じを味わうことができます。point 319 | 1