新たな飼い主を得て、幸福を取り戻した捨て犬、オタビオ(Otavio)。しかし、今だ消えない胸の痛む過去がありました…。
ある動物専門メディアが長い期間の保護所生活の終え、新しい主人に引き取られた犬の過去について報じました。
オタビオと名付けられたその犬は、昔虐待にあっていたそうです。それが発覚し、動物保護団体に救助され、保護所にてながい期間を過ごすこととなりました。
しかし、ジョイスラマス(Joice Lamas)という女性に引き取られ、これまでは受けれなかった愛情を受けれることとなります。ラマスさんによれば、オタビオは「まるで自分に助けを求めているような、寂しい目つきだった」と言い、すぐにオタビオを連れ帰ることにしたのだと言います。
当初は虐待の記憶のためか、人間を怖がり、少しの接触すらも受け入れれず、常におろおろしていたといいます。それでも、ラマスさんとそのご主人の愛によって少しずつ心を開き、なつくようになっていったそうです。
しかし、オタビオには不思議なくせがありました。
常に餌の半分を残すのです。
たくさんあげようが、少しだけあげようが関係なく、常に半分しか食べないのです。いくらお腹がへっていようが決して半分以上は食べようとせず、あらたに餌を追加して、ようやく食べ始めるそうです。
不思議に思っていたラマスさんたち夫婦は、ついにオタビオの寂しい過去とやさしさを知ることとなります。
それは、保護所での生活の記憶でした。
多くの捨て犬が一緒に生活しなければならない保護所での環境上、犬たちの間に序列が生じます。特に、体が小さい犬は十分にえさにありつけないということが起こるというのです。
そのため、オタビオはともに暮らす小さな友達のために常に餌を半分残すくせがつき、それがラマスさんらに引き取られた後にも続いているというのです。
その寂しい事情を知り、オタビオの温かい心に感動する反面、なぜか胸苦しくなったとラマスさんはいいます。
「これからはご飯のときには全部食べていいよ、と励ましながらこの習慣を少しずつ直していこうと思う」
といいながら、
「オタビオがひどい過去を忘れて、幸せになれるよう精一杯努力していきたい」と
オタビオへの愛情を示しました。