蛇にピアスは、作者は金原ひとみで第130回芥川龍之介生に輝いた作品です。
金原ひとみのデビュー作品になりますが、リアルな描写や物語の純粋さなどが高く評価されています。
小説の内容について簡単に見てみましょう。
小説蛇にピアスの内容は?
主人公の19歳ルイはアマという男性と同棲し、彼がピアスや刺青などの身体改造をしていく姿を見て自分も身体改造に興味を持つようになります。
シバという男の店でルイは舌にピアスを入れ、その後刺青もシバに入れてもらうようになり、その度に二人は身体の関係を結ぶようになっていきます。
その後アマが喧嘩した相手が亡くなり、アマは警察から追われ始め、結局無残な死体となって発見されます。
バイセクシャルであったアマは、誰かにレイプされた後も見られました。
その犯人はシバではないかというどこか謎めいた部分も残している内容です。
この作品では、ルイにどこか共感を覚える若者も多かったのではないでしょうか。
特に自分というものを持たず、痛みを感じることにより生きていると思えたルイ。
実はこのルイは、どこか作者である金原ひとみ自身とも似ていると言えます。
それでは一体、このような過激な作品を書き上げた金原ひとみは、どのような女性なのでしょうか。
外観はやや派手で綺麗系で、一見すると夜の仕事をしているようにも見られがちな彼女は、小学生時代は不登校の時期もあったそうです。
金原ひとみの今まで
子供なのに大人が抱くようなさまざまな感情が渦巻き、そういった子供時代は彼女の書く小説からもなんとなく想像できるのではないでしょうか。
お父さんは翻訳家の金原瑞人氏ですが、金原ひとみが小学6年のときにお父さんがサンフランシスコに留学するときについて行き、海外で1年間を過ごしています。
彼女はかなり情緒の起伏が激しい性格であると周囲の人々も言っており、実は15歳の頃からはリストカットの自傷行為をしていたそうです。
どこか心の奥に影があるような、そんなところもまた、彼女の不思議な魅力と言えるのかもしれません。
小説を書きだしたのは12歳くらいだそうです。
そんな金原ひとみは、実は2児のママです。
2005年に、集英社の担当編集者さんと結婚し、1人目を出産して東京に住んでいました。
けれども東日本大震災が起こり、放射能の悪影響などを考えてその後はお父さんの実家がある岡山に引っ越しています。
岡山にて2人目を出産しました。
その後2012年には、家族4人でフランスパリに移住し、現在はパリにて生活しているようです。
金原ひとみの作品には、蛇にピアスのほかにも『アッシュベイビー』や『星へ落ちる』『マザーズ』などがあります。
けれどもフランスに移住してからは、特に目立つ著書はでてきてません。
お金を持っている旦那さんとお父さんのサポートがあるので、書かずとも生活していけるのではという説もあります。
金原ひとみの今後
賛否両論がある彼女の作品ですが、彼女の独特な文章はファンも多く、次の作品を楽しみにしている人もたくさんいることでしょう。
また蛇にピアスは、蜷川幸雄監督の元映画化もされています。
この映画のCGが上出来で、ルイ役を務めた吉高由里子は本当に下にピアスを入れていると錯覚した人も多かったようです。
実は吉高由里子は主演が決まった後に交通事故に遭うという大変な状況でしたが、無事に回復して映画撮影ができました。
リアルでセクシーな演技は絶賛されて、この映画をきっかけに吉高由里子の知名度が上がりました。
ちなみに、アマ役は高良健吾、シバ役はARATAが演じています。
金原ひとみとCHARAがコラボして作詞した「きえる」という歌が主題歌となりました。
いずれにせよ、小説でも映画でも多くの人をアッと驚かせた蛇にピアスは、いつになっても語り継がれるインパクトのある作品と言えるでしょう