21日に閉幕した広島市での先進7カ国首脳会議について、カナダから同市に帰郷している被爆者サーロー節子さん(91歳)は「失敗だったと思う」と総括しました。
サーローさんは、G7首脳と被爆者との対話などが非公表で「被爆者が体験したことを理解してくれたのか。反応が聞きたかった」と不満を表明しています。また、「市民と政府が一緒に核軍縮を進める機運が生まれたのか」と疑問を投げかけました。
またサーローさんは、G7サミットがまとめた核軍縮に関する「広島ビジョン」を巡り「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判し、核兵器禁止条約の締約国との協働など期待していたが、「広島ビジョンでは全く無視されている」としています。
日本被団協の木戸季市事務局長は、核抑止を事実上肯定し、核兵器廃絶に向けた十分な議論がなかったと強調し「希望は完全に打ち砕かれた。核の傘の下で戦争をあおるような会議だった」と憤りをあらわにしました。 また和田征子事務局次長も、核兵器なき世界への具体策がなく、議長を務めた岸田文雄首相の責任は重いとし、「被爆者の願いを踏みにじった」と落胆したというコメントを残しています。
しかしネット上では『この方たちの認める姿ってのは何かしらの大変大きな流れでも来ないと現れないでしょう。ただそれをまとめて「失敗」としてしまうのはどうなんでしょうか。少なくとも今までと違う一歩はあったかもしれません。なんていうか全てを否定せず一歩一歩進めていくしかないのではないでしょうか。』『サーロー節子女史の気持ちもわかるが、ここを出発点にして前に進む以外方法はないと思う。』というような声に多くの賛同が寄せられています。
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