毎年2000人以上がデビューするともいわれるA◯業界だが、メディアで頻繁に取り上げられる単体女優を除き、大半はその他大勢扱いの企画女優です。そのため、記憶に残ることもほとんどなく、彼女たちの多くはその過去を隠したまま引退後の生活を送っています。
「私もまさか恋人にそんな過去があるなんて信じられませんでした」 そう振り返るのは、工業機器メーカーに勤める沢向さん(仮名・43歳)でした。30代前半のころ、自宅最寄り駅近くのスポーツクラブの会員になっており、週3~4回のペースで汗を流しに通っていたとか。そこで訪れる時間帯が一緒で、言葉を交わすうちに仲良くなったのが、派遣社員をしていた5歳年下の真帆さん(仮名)でした。何度か食事に行き、彼から告白して交際がスタートしたそうです。結婚前提のお付き合いであることは最初の時点で彼女にも伝えていました。ちょうど1年が過ぎたころかな、正式な婚約ってわけじゃないですが彼女の実家へ挨拶にうかがおうと思ったんです。でも、『その日は予定が入っているみたい』と何度もはぐらかされ、そんな状態が数か月続きました。で、ある日彼女から大事な話があると言われ、そこで元A◯女優だとカミングアウトされたんです」 最初は別れ話だと思って覚悟はしていた沢向さん、ところが、いざ聞かされたのは想像していた展開の斜め上を行く衝撃的すぎる過去でした。
告白する彼女は指先が震えていたそうで、「今まで黙っていてごめんなさい……」と泣きながら何度も謝罪されたそうです。この状況に彼も理解が追い付かなかったという。 「フラれなくてよかったとホッとしたのも束の間、超ド級の告白にマジかぁ……って思いましたよ。けど、本当なら墓場まで持っていきたい秘密を打ち明けてきた以上、自分も向き合わなきゃいけないじゃないですか。少なくともその場で今後に関しての決断を下さなきゃいけない。正直、その場から逃げ出したい気分でしたけど、それが許される場面ではなかった。今までのほほんと生きてきた自分にとっては間違いなく人生史上最大の修羅場でした」と言います。
それでも真帆さんに対する怒りは一切湧かなかったそうです。ただし、自分の気持ちや感情が上手く整理できず、そこも含めて偽ることなく彼女に伝えたそうです。 「あのときはテンパってましたけど、交際を解消する意思がないことだけはきちんと伝えました。彼女には『A◯に出てたんだよ。きっと無理だよ』と言われましたが、裏切られたとは思わなかったんですよね。 こっちが彼女の立場なら隠して当然だし、それに驚きはしたけど、ショックを受けたかと言えばそうでもない。あくまで過去の話じゃないですか。私の感覚が世間の男性とズレているのかもしれませんが、別れる理由にはならないかなって」と語ります。
ちなみに彼女は企画女優として20本ほどの作品に出演していたそうで、会社の給料だけで独り暮らしをするのは大変で副業的にA◯の仕事を始めたこと、沢向さんとの交際を機に足を洗ったことなどを説明されたそうです。 「ずっと隠し続けていることに苦しんでいたのでしょう。それでプロポーズされる前に自分の過去を暴露し、具体的な結婚の話になる前に別れようとしたようです。だから、『別れる気はないよ』と言ったことにすごく驚かれ、彼女は号泣。それを見て私も涙腺が決壊しそうになりました」 その後は話し合いを重ね、A◯出演については周りに秘密のままにしておくことにしたそうで、真帆さんの出演作品のパッケージを後日チェックしたそうだが当時とは髪型やメイクもかなり違っていたため、「これなら発覚する可能性は低い」と判断したとのことです。実際、2人はこの翌年結婚したが、最初から知っていた彼女の親しい友人を除き、誰にもバレていないといいます。
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