大女優でありながら若いころから「不思議さのかたまり」のような存在だった、大竹しのぶさん。彼女は、デビュー当時から自由奔放な発言をして、キャリアを重ねてもつかみどころのない可愛らしさにあふれています。
大竹さんは、1973年に「ボクは女学生」というドラマに一般公募して合格し、見事芸能界デビューを果たしました。75年には五木寛之原作の東宝「青春の門」で田中健さんと大胆なベッドシーンを演じて話題となり、スターの道を歩み始めました。
そんな大竹さんが18歳の頃受けたインタビュー内容が残っています。当時、桐朋学園大学短大部演劇専攻科に入学したばかりの“女子大生”でした。「学食の290円のランチのメニューと休講の掲示が楽しみ」と笑う姿は実に庶民的で、田中さんとの初のベッドシーンではどうやって脱ぎ、どうすればいいか不安だったと明かしています。「早朝に健ちゃんとビスケットを食べながら、監督から男と女の話を聞かされてからだったの。フワーッとなって魔法にかけられたみたいだった」と振り返っていました。
そのシーンを試写で見た後、涙が止まらなかったといいます。「ベッドシーンが一番ステキに見られたな…」と笑い話しました。とても18歳とは思えない度胸の据わりようでした。さらには「高校を卒業するまで絶対に大恋愛をするって決めていたけどダメだった。ひと目ぼれするタイプだけど飽きっぽい。憧れていた人が優しくしてくれると急に飽きちゃうの。ウフッ」と小悪魔的な表情で話していました。
将来については「いつまでも女学生のような純真さを失わず、大人っぽい雰囲気を持てる女。女優業では『ああ、あの人が大竹しのぶね』と言われればそれでいいと思う」と語り、その言葉はすぐに現実のものとなりました。
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