沖縄市の路上でバイクに乗った高校生が警察官の暴行を受けて失明した事件で、沖縄県警は今月2日、県警本部の一室に記者を集め「被害者やご家族をはじめ県民の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪しました。
この発生から9カ月以上たって初めてされた謝罪に、高校生は「警察からの謝罪は遅いと感じた。巡査をしっかりと捜査してくれるのだろうかと、不安な気持ちで過ごす毎日がつらかった」と振り返りましたが、世間の反応は心配とは逆に「深夜徘徊した自分が悪くない?」「警察だけが悪くはないだろ」「マスコミも警察批判したいだけかよ」などといった声が多数見られました。
説明会は警務部首席監察官の山内敏雄氏が記者団の質問に答える形で進行し「本来なら正式な記者会見を開くべきではないか」との問いには明言を避けました。山内氏は「警棒を持ってバイクを止めようとする行為自体が不適切な職務執行だった。指導教養を徹底する」などと謝罪しました。
記者から「警棒を持って止めようとしたのが不適切な職務執行だと分かった時点で、すぐに高校生に謝罪するべきだったのではないか」と問われると、「捜査結果の説明と合わせて謝罪するのが、県警の誠意ある姿勢と判断した」と釈明しました。
またこの事件を巡っては、SNS上で高校生に対する意見やデマが拡散されたが、高校生は周囲に将来への不安を口にするなど、深刻な二次被害が生まれました。中傷に苦しむ高校生のためにも、公的機関として早期にデマを否定する発表をするべきだったのではないかと聞かれた山内氏は「そういった行為は決して許されるものではない」と指摘しました。高校生の家族は本紙の取材に「被害者なのにまるで加害者かのような誹謗中傷を受け、傷つけられたことを県警は重く受け止めてほしい」と要望しました。
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