女優・藤田朋子の”全脱ぎ”写真集を巡る記者会見は、とにかくやばかった。藤田は96年の1月、写真家のアラーキーこと、荒木経惟氏とともに、一面銀世界に覆われた岩手県遠野で撮影に及び、本来であればこの日、定価3800円という待望の全脱ぎ写真集「遠野小説」を発売する予定でした。
ところが、8日発売の写真週刊誌に、アラーキーと藤田との混浴写真が宣伝記事として掲載されたことで、事態は一変したのです。10日には藤田本人と所属事務所が約束違反として、出版元らを相手に、東京地裁に写真集出版差し止めの仮処分申請を行う騒動にまで発展したのです。
その後、裁判所により仮処分申請が認められたのだが、すでに都内の店頭に並んでいた写真集は、マスコミ報道もあって、差し止め決定が出される前に5万部が完売していたのです。
会見場に現れた藤田はメモを取り出すと、《人を信じ、人と人との心の付き合いを大切にして生きてきました。しかし、裏切られました。純な心でいたのがいけない、といわれればそれまでですが、単純にくやしいです》とコメントを読み上げ、会見を終了させてしまったのです。
これに対し、報道陣からいっせいにブーイングが起こるのだが、そこで彼女の口から予期せぬ言葉が発せられたのですが、それに対する藤田の一言がすごかった。藤田は「Get Out!(ここから出ていけ!)」と厳しい表情とともに、そんな怒号を響かせたのです。
結局、この騒動は1カ月後には出版社側が藤田サイドに1000万円程度の和解金を支払い、あっけなく収束しましたが、出版社、事務所ともに「ノーコメント」のまま、騒動の真相は闇へと消えています。
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