安倍晋三元総理の銃撃事件を機に、久しぶりにクローズアップされることになったのが統一教会(現:世界平和統一家庭連合)。有名歌手や人気体操選手の入信などを巡って、ワイドショーが統一教会関連ニュース一色になったのは1990年代初め頃だったといいます。
もう今から30年ほど前の話なので、平成生まれにはピンとこない存在かもしれないが、今回、安倍元総理を銃撃して逮捕された山上容疑者が語っているように、かつては信者が多額の献金をして破滅したというケースが多く伝えられていたといいます。
逮捕された当日、山上容疑者は警察の調べに対して、「母親が“宗教団体”にのめり込んで多額の寄付をしたことで家庭が崩壊。恨みがあった」などと供述。しかし疑問に思わされたことが一つ。テレビは”特定の宗教団体”という表現を数日間続けたのでした。そのためネット上では憶測が広がりつつもありましたが、そんな中、『現代ビジネス』などネットニュースが早々に”統一教会”と断定して報じました。
これによりネットやSNSでは炎上することになり、当時から安倍氏と統一教会のつながりを示すようなメッセージ動画などが拡散されたことになります。当初、テレビが『世界平和統一家庭連合』、いわゆる“統一教会”という名前を出さなかった理由はどこにあったのか?情報の裏取りはほぼ出来ていたそうだが、警察や統一教会が発表しないかぎり、万が一のことを考えて実名を出すことは控えていたというのです。
しかし、統一教会サイドが11日に突如、会見をすると言いだして取材案内が来たので、どんな発言をするのか未知数だっために生中継の“体”を取りながら数分間ディレイにして放送したといいます。まさに“臨戦態勢”で臨んでいたテレビ局。09年以降はコンプライアンスを重視し、献金などのトラブルもないと主張していたが、その後弁護士らが反論し、統一教会の闇が問題視されるようになりました。
統一教会に対して恨みがあったとはいえ、決して安倍元総理を銃撃し殺害することは許されないこと。しかし、その事件の背景にはどんなことがあったのか、報道機関の「使命」のひとつであることを、テレビ局も再認識することになったでしょうね…。
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