日本で漫画家として活躍している荒川弘さん。漫画家の名前を知らなくても、『鋼の錬金術師』や『銀の匙 Silver Spoon』は知っているという人も多いのではないでしょうか。そのペンネームや、漫画の作風から、男性と思われがちなのですが、実は荒川弘さんは女性なのです。
■人気の理由
荒川弘さんは、人気の漫画家であり、そのきっかけとなったのが、『鋼の錬金術師』です。自分の母親を蘇らせようと禁断の錬金術を行うも失敗したエルリック兄弟。兄は片腕と片足を失い、弟は体ごと持っていかれてしまいます。そして、兄のエドワードは、腕と足にオートメイルを装着し、弟のアルフォンスは、鋼の甲冑に魂を定着。その二人の姿から、鋼の錬金術師というタイトルにもなっております。
今までにない類を見ない設定、用意周到された複線、主要人物が死んでしまうなど、意外性のある展開など、さまざまな要素で高く評価されました。後々アニメ化や映画化もされ、確固たる人気を確立したのです。
その後、さらに注目されたのが『銀の匙 Silver Spoon』です。農業高校を舞台にしたという、これまた斬新なアイデアが受け、こちらもアニメ化、そして実写で映画化され、大きな話題を呼びました。
■顔出しNGだけど…
漫画家は、顔出しNGだったりメディアに出演しない人も珍しくありません。だから、性別に対して誤解されている人も少なくありません。例えば、金田一少年の事件簿の作者である”さとうふみや”さんの、そのペンネームは男性っぽい名前ですが、実際は女性です。
荒川弘さんの性別が話題になったのは、2017年9月に、TOKYO MXで放送された番組に出演した時でした。元々メディアにも出ない作者でしたが、その際はビデオ出演し、顔の部分には自画像のイラストでスタンプされ、顔出しNGでした。しかし、容姿や声で女性とはっきりと分かるものであり、作者の性別を知らなかった人から、驚かれたという声が多く上がりました。
■作者の生い立ちや経験が反映した漫画
荒川弘さんは、北海道出身で、農家の家庭に生まれました。そして、自信でも帯広農業高校を卒業しており、農業の世界に大きく関わっております。そして、2007年には、第一子を出産するなど、母親でもあるのです。
こうした自信の生い立ちや経験が、存分に漫画に反映しているのが、一つの特徴です。『銀の匙 Silver Spoon』では、舞台そのものが農業高校であることからも分かるように、自信が経験したこと、そして見てきた世界や感じたことが、漫画として表現されております。また、『鋼の錬金術師』でも、作者がリハビリセンターや交通整理のアルバイトをした時に得た、義手の知識、そして等価交換の概念からヒントを得てストーリーが考えられたそうです。
■まとめ
意外な性別だった漫画家の内の一人が、荒川弘です。作品はどれも読みやすく面白いため、気になる人は、どれか一つ作品を手に取ってみるとよいでしょう。