女性だと思っていた彼女が、実は男性だったという事実を知ったら、どんな気持ちになるのでしょうか?
中国人の男性を女性だと思い、彼を愛していたフランス人の男性がいました。この話は今までに演劇や映画でもたくさん登場してきました。
M.バタフライ(M.butterfly)。この映画の元となった主人公、彼らのラブストーリー(1960年代〜)を見てみましょう。
こちらの人物は時佩璞 (じ はいはく)、中国出身の京劇俳優です。
あなたはどう思いますか?女性だと言ったら、信じられますか?
彼はクリスマスパーティーでフランスの青年であるベルナール・ブルシコ(Bernard Boursicot)に初めて出会います。それから数回会った後、二人は時佩璞の一言で恋人関係に発展しました。
私は実は女性です
女性のような美しい体つきを持つ時佩璞の言葉にブルシコは騙されてしまいました。男の子を望んでいた親のため、ずっと男装をしているという言葉に説得されたのです。
時佩璞は夜の愛情行為をなるべく避けており、恥を口実に「火を消して」と言っていました。関係も早く終わらせ、ブルシコにはお酒をたくさん飲ませたそうです。よって、自分が男性という事実を20年間隠すことができました。
しかし、二人の愛の壁は意外に(!)性別ではありませんでした。国家間の情報流出事件の二人は巻き込まれてしまいます。ブルシコは北京駐フランスの大使館経理であり、女性と思わせて愛人関係に持ち込んだ時佩璞は外交機密文書を流させ続けていたのです。
その後、文化大革命が起き、時佩璞が外国人と接触したという理由で反逆者として知られます。ブルシコは家族を守るために時佩璞との間の子供(実は密かに養子縁組してきた子供)を連れてフランスに帰ります。それは1982年でした。
しかし、フランスで二人はスパイ容疑で逮捕されます。刑務所にいたブルシコ。調査の過程で自分の妻が「実は男性だった」という言葉を聞きました。あまりにも驚いた彼はかみそりの刃で自殺をしようとしていたそうです。
時佩璞は「本当に愛してしまいそうだった」と話していました。ブルシコは時佩璞が死ぬ日まで、彼を許しませんでした。時佩璞の性別、そして子供…その全てが偽だったからです。
性別も知らなかったまま結婚生活をしたというこの物語は全世界中で話題にされていました。この話はデビッド・ヘンリー・ホァン(David Henry Hwang)によって美化され、「M.
butterfly」という戯曲に生まれ変わったのです!しかし、映画では愛憎が重なって自殺する結末で終わりました。「M.
butterfly」は、その後でも映画の中で光を放ちます。
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