総裁選を巡って、自民党の1~3回生議員で作られた『党風一新の会』が、“派閥一任”の意思決定に猛反対しているといいます。
安倍首相に選ばれ、当選してきた“安倍チルドレン”による反乱に、“生みの親”は慌てているようです。
『党風一新の会』の呼びかけ人は横断的な構成で、70人に上ります。
驚くのはその大きさで、現在なんと90人が入会しているという状況で、自民党衆院議員のうち3回生以下は126人なので、7割も超える勢力を持っています。
その中で、代表世話人を務めるのが、最大派閥・細田派に所属する福田達夫衆院議員です。
米ジョンズホプキンス大高等国際関係学研究所留学、三菱商事出身で、祖父に赳夫元首相、父に康夫元首相を持つ“政治エリート”です。
10日、オンライン設立総会で福田衆院議員は「派閥一任で総裁選の行方を決めないことはほぼ達成できた」と述べました。
さらに、中心には仲良し河野“カレー派閥”の福田達夫衆院議員と小泉進次郎さんが…。
こうした若手の動きに慌てているのが、総裁選で高市早苗前総務相を支持する安倍前首相だそうです。
なぜなら、90人のうちのほとんどが、河野さん側に行くと思われているからです。
自民党関係者は「3回生以下は事実上、安倍政権下で誕生した安倍チルドレンです。安倍さんが推す高市さんに協力するのが筋といえば筋ですが、総裁選は来る総選挙の顔を選ぶものなので、若手にとっては死活問題。勝てる顔を選ぶとなると、『高市さんではね……』と二の足を踏むのは当然です。岸田さんも、河野さんに比べて人気が劣る。」と述べました。
7年8カ月にわたって安倍政権の力を維持できたのは、最大派閥をコントロールできたところにあります。
ですが、今回の総裁選は高市支持ではどうにもならず、出身派閥の細田派も自主投票になるかもしれない噂が浮上しました。
そこへ若手の“造反”もとなると、安倍前首相が慌てて顔が青ざめるのも理解ができます。
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