幅広くなりつつある愛の形。最近ではLGBT(セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称)の人たちが注目を浴び、男性と女性のみ結婚が認められてきた時代も古くなりつつあります。さらに日本では、アイドルがプリントされた抱き枕と愛を育む人、または人形と生活をともにする人など、世の中にはたくさんの愛の形があります。そんな中、アメリカから衝撃的なニュースが届きました。それは、当時20歳の女性がゾンビ人形に愛情を注ぎ、ついには結婚式を挙げてしまったというのです。
米オクラホマ州に住むフェリシティ・カドレック・ロッシさん(Felicity Kadlec Rossi、20)は、ハロウィン用のゾンビ人形に恋してしまいました。その人形に“ケリー・ロッシ”と名前をつけて愛情を注いでいたフェリシティさん。普段、人間の友人と関わることもあるそうなのですが、ケリー以上の関係を持てる相手はいなかったそう。またケリーは女児を模した人形ですが、年齢は37歳だとも明かしています。つまり、17歳違いの”年の差婚”ということになります。
結婚式は、米ロードアイランド州のティバートンで執り行われ、参加者は全員人形だということです。人形に見守られながら、ゾンビ人形と結婚するなんて、少し不気味ですね….
ケリーとの出会いはフェシリティさんが13歳の時に遡ります。もともとホラー映画が大好きだった娘のためにと父親がプレゼントしてくれた人形だったそうです。しかしその3年後、突然、最愛の父が他界してしまいます。
それ以来、フェリシティさんは父親を亡くした悲しみを埋めるかのようにケリーに愛情を注ぎます。そのうち自分にとってかけがえのない存在ということに気がついたそうです。
フェシリティさんはその後、結婚式の様子をFacebookに投稿。ケリーは黒のタキシードを身にまとい、フェシリティさんはウェディングドレスを着ています。さらに、フェシリティさんはケリーと誓いのキスをしている写真も公開しました。
するとネット上では、彼女の愛の形に理解を示す人から祝福の声が届きましたが、一方で、ゾンビ人形のケリーを見て「本物の子供の遺体なのでは?」と疑う人も現れ始めたそうです。
さらに警察に通報する人もいたことから、フェシリティさんはオクラホマ州のヴィニタ警察署へ出向き、誤解を解くためになんらかの証明書をもらうことにしたそうです。当時のことをフェシリティさんはこのように語っています。
「ケリーは人形なのに、それを信じてくれない人もいました。ケリーは子供の遺体ではないことを確認してもらうために、私は警察に出向くことにしたのです。そして警察はケリーが人形だということを確認し、私はその時に撮影した写真をSNSでシェアしました。」
普段からSNS上で、フェシリティさんとケリーの存在を知ったネットユーザーから、誹謗中傷のコメントが寄せられていたたそう。そこで結婚を決意したのだと話しています。
「さらにケリーの見た目が子供なので、私を小児性愛者とほのめかす人もおり、かなりうんざりしていました。それらを払拭する必要があったのです。」
ちなみに、彼女は今後「ドナー精子」を利用して子供を設ける予定とのことで、周囲の人たちに干渉されることなく、穏やかな結婚生活を過ごしていきたいと話しています。
Facebookには、ゾンビ人形としてのクオリティが高いケリーとの仲睦まじい様子を捉えた写真や動画が投稿されていますが、2人の愛の形を否定する権利は誰にもありません。フェシリティさんの幸せだと感じる気持ちが大切なのではないでしょうか。
[著作権者VONVON /無断コピー、無断転載および再配布禁止(違反時の法的措置)]