突然ですが、みなさんはお酒を飲んだ時に顔が赤くなりますか?
少し飲んだだけでも真っ赤になる人と、いくら飲んでも全く変わらない人。ほんのり赤くなる人など様々ですが、この違いはどこからくるのでしょうか?
今回はそんなお酒の摂取に関する不思議と予防についてまとめてみました!
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問題
【問題】世の中には、お酒を飲むと赤くなる人と、ならない人がいます。この違いはどこにあるのでしょうか?
(1)これまでの飲酒経験
(2)遺伝子
(3)肝機能
(4)体内の水分量
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正解は、(2)遺伝子 です。
赤くなるメカニズム
お酒を飲むと顔が赤くなる人がいますが、どういうメカニズムに赤くなっているのかご存じですか?
まず、お酒を飲むと、アルコールが胃や腸で吸収されて血液を通して全身に回ります。
そのうちの10%は尿などで体外へ排出されますが、残りは『アセトアルデヒド』に分解されます。そのあと酢酸に分解され、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。
アセトアルデヒドは体にとって毒性が強く、神経に働きかけて皮膚の血管を広げて血流を増やすことで顔を赤くします。
アルコールが分解される過程は、
(1)アルコール→(2)アセトアルデヒド→(3)酢酸→(4)水+二酸化炭素
となりますが、顔が赤くなる人は(2)〜(3)までの分解能力が弱いことが原因です。
酵素活性
お酒を飲んで赤くなるのは、アルコールによって血行が良くなっているわけではないと書きましたが、顔が赤くなることをフラッシング、赤くなる人をフラッシャー、赤くならない人をノンフラッシャーと呼びます。
フラッシングが引き起こす症状には、
・体が赤くなる
・頬や耳たぶが熱く感じる
・脈が速くなる
・ドキドキする(動悸)
・頭痛
・発汗
・めまい
・眠気
などがあります。
フラッシャーにも1杯少量の飲酒で必ずフラッシンングを起こす人から、必ず赤くなるのではなく、相当飲んでから遅れて現れるか、現れても軽度で、ほかの症状を伴わない人までと個人差があります。
アセトアルデヒドの分解能力が低い人はフラッシングを起こしやすいです。分解能力は各個人の酵素活性(分解を助ける酵素の能力の高低)により決まります。
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日本人の4割がALDH2の不活性型!?
アセトアルデヒドを分解する酵素はアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)と呼ばれ、いくつか種類があります。
その中の1つ、ALDH2の酵素活性に個人差が非常に大きいこと、酵素活性は遺伝的に決まっていることが分かっています。
ALDH2をつくる遺伝子には、お酒に強い、いわゆる分解能力が高いとされるN型と、突然変異で分解能力が低下したD型があります。
誰でも両親からいずれか1つずつを受け継ぐので、人間にはNN型、ND型、DD型の3パターンがあることになります。
(1)NN型(活性型)はアセトアルデヒドの分解が速く、たくさん飲める酒豪タイプ
(2)ND型(不活性型)はアルコールに弱く、ほどほどに飲めるタイプ
(3)DD型(失活型)は体質的にアルコールを受けつけない、下戸タイプ
国税庁によると日本人の約40%がND型だということですので、赤くなることを恥ずかしがる必要もなさそうですね。
すぐ赤くなる人は病気のリスクが高まる!?
お酒を飲むことで顔が赤くなるかどうかは個人差がありますが、飲酒後すぐに顔が赤くなる人は、普通の人よりも病気にかかるリスクが高いと言われています。
とくに注意が必要なのは、“癌”。
アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすい人は食道がんになる確率が普通の人に比べて10倍近く高いと言われています。
さらに、顔が赤くなりやすい人が飲酒と喫煙をした場合、食道がんになるリスクが190倍になると言われています(※反対意見もあります)。
また、顔が赤くなりやすい人は高血圧になるリスクも高く、普通の人に比べて2倍発症する確率が上がるのだそうです。
他にも、高血圧により心臓病、脳卒中などの症状も併発するリスクがあります。
「俺は顔はすぐ赤くなるけど酒は強いんだよ」と言っている人は、お酒を飲むたびにこれらのリスクを高めているので、ほどほどの量でやめておくのが健全です。
顔が赤くなるのを防ぐ方法
お酒を飲んで顔が赤くなる人はよくいますが、人によっては「顔が赤くなるの恥ずかしい!」という場合もあるようです。
そこで以下では、お酒を飲んでもなるべく顔を赤くしない方法についてご紹介します。あくまでも、“なるべく”です。完全に防ぐことはできませんのでご注意を。
①運動してから飲む
朝起きたときにお酒を飲んでいつもより顔が真っ赤になったという経験はないでしょうか?
これは血流が悪いことでアセトアルデヒドが血中に残りやすくなっていることが原因のようです。
つまり、顔を赤くしないためには、適度に血流が良くなっている状態でお酒を飲むのが一番です。お酒を飲むときは軽い運動をして間を置いてから飲むようにしましょう。
逆に、お酒を飲んだ後に運動をすると血流が急激に早くなることでアルコールの回りも早くなるのでやめましょう。
②酔いづらい工夫をする
お酒の飲み方や体調によって顔があまり赤くならなかったという日はありませんか?
お酒による酔いは体調管理や飲酒のペース配分によってある程度コントロールすることができます。
お酒に酔わない状況を作るということは、体の中でアルコールが回りづらいということでもあるので、酔い止めの工夫をすることで顔が赤くなるのを防ぐ効果があるかもしれません。
以下の方法を試してみましょう。
・空きっ腹にアルコールを入れない
・飲酒前に乳製品を食べておく
・こまめに水を飲む
・少しずつお酒を飲む
・オルニチンなどのお酒の分解をサポートしてくれる成分を取る
まとめ
「顔が赤くなるメカニズム」や「顔を赤くしない方法」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
お酒を飲んで顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドによる毒性の影響を受けやすいので、なるべく飲酒を控えた方がよさそうです。
飲み会の席では「飲まないとノリが悪い」という風潮がありますが、一番大切なのは自分の健康です。自分の体質をよく理解して上手にお酒と付き合うようにしましょう。
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