1日平均2000人が行方不明に
日本では、毎年10万人の行方がわからなくなっています。10年では100万人・・。とんでもない数ですよね。
これらは、失踪なのか・・拉致なのか・・未解決のままです。
アメリカでは、1日平均2000人が行方不明となっています。(2013年のFBI統計)
その中でも特に不気味な謎として人々の記憶に残るのが、1988年の未解決事件「謎のポラロイド写真」です。
一体、どんな事件なのでしょうか・・・。
19歳の女子大生が行方不明に・・・
1988年9月20日の朝。
当時19歳のタラ・カリコはニューメキシコ州ベレンにある自宅から、マウンテンバイクに乗って出発しました。
その日は秋晴れで、タラはソニーウォークマンで音楽を聴きながら約27キロをサイクリングし、その後にはボーイフレンドとテニスをする約束をしていました。
タラは家を出る時、母親に冗談で『正午までに私が戻らなかったら、探しに来て』と言ったようです。
これが現実になるなんて、思いもしなかったでしょう。
タラはその後、帰宅することはなかったのです。
帰宅しないタラを心配した母親は、周辺を探しました。
すると、道路の側溝付近で、タラが家を出る時にウォークマンで聞いていたロックバンド「ボストン」の曲が入ったカセットテープが落ちているのを発見したのでした。
母親はタラが誘拐され、その際、ボストンのテープは手がかりとしてわざと落としたのだと考えたのでした。
母親は警察に通報しました。
しかし、いくら訴えてもタラが18歳以上だという事を理由に介入を断ったのです。
その後、道路の脇にウォークマンの破片、自宅から約32キロ離れたキャンプ場に近い溝にタラのピンクのマウンテンバイクが捨てられているのが見つかったため、警察の態度は変わり捜査が開始されました。
ポラロイド写真
警察はタラを探す手がかりを精力的に探し始めました。
7人の目撃者が見つかり、タラが自宅から約3キロの地点で自転車に乗っているのを見たとの証言を得ることが出来ました。
そして目撃者のうち5人が、キャンピングカーをけん引した1953年型フォードトラックが、タラの自転車の後にぴったりついていたと話しています。
当時タラはヘッドフォンで音楽を聴いていて、トラックに気づいていなかった様子であったとも証言しました。
結局、何の手掛かりもなく約一年後の1989年。
タラの家からはるか離れたフロリダ州ポートセントジョーの食料雑貨店で、買い物に来た女性が駐車場に落ちていた1枚のポラロイド写真を見つけたのでした。
その写真がこちら。
写真には手を縛られ、口にガムテープを貼られた少女と、その子よりさらに若い男の子の2人がカメラを見つめていました。
彼らはどちらもベッドの上に横たわっていて、そこは狭いスペースに見えましたが、背景が暗いので警察は撮影場所を特定できませんでした。
写真の少女はタラに似ており髪、目、皮膚の色合いが同じで、またタラに傷痕があった右脚と同じ箇所に変色が見られました。
また写真の女の子の隣には無造作に本が置かれていますが、それはタラの好きな作家の本だったのです。
母親は写真の少女が、娘のタラだと確信しました。
写真が見つかった時、そこには白いトヨタのバンが駐車されていて、運転手は口ひげのある30代白人男性だったとされています。
タラが失踪した1年後、有名なテレビ番組の「Unsolved Mysteries」がタラに関するエピソードを放送されました。
そしてこの事件は、「America’s Most Wanted」と「48 Hours」でも取り上げられ、全米で誰もが知る有名な事件となったのです。
失踪?殺人?謎?
この不思議な事件は全米中の話題になったにもかかわらず、未解決のまま。
しかし長い年月の間に、いくつかの仮説も立てられています。
2008年にニューメキシコ州バレンシア郡のリベラ保安官の仮説
彼は、タラに何が起こったかを正確に知っていると語りました。
地元の当時10代の少年2人が運転するトラックがタラの自転車にぶつかり、彼女は死亡。
少年らは事故が公になるのを恐れて、彼らがタラを殺したとの説でした。
そして彼らの両親や友人が遺体や犯罪の隠ぺいを助けたと・・?
そしてリベラ保安官は彼らの名前も知っているが、証拠となる死体が無いので、罪に問うことはほとんど不可能だと語っています。
そして死体はタラの家からそれほど離れていない場所に埋められ、犯人たちはもちろんその場所も知っているはずだと付け加えました。
写真分析官
FBIは写真を調べましたが、その女の子がタラかどうかを正確に判断できませんでした。
その後、スコットランドヤードの写真分析官が「写真の女性はタラ本人」と結論付けました。
しかし、一方で米国ロスアラモス国立研究所は「写真の女性とタラは別人」という結論を出しています。
写真の男の子は誰?
タラの隣に写っている少年は、1998年4月に姿を消したニューメキシコ州のマイケル・ヘンリーではないかと言われました。
タラの両親と、少年マイケルの両親は共に捜査官に会いました。
しかしその後1990年にマイケルの遺骨がキャンプ場付近で見つかったのです。
警察は彼が山で道に迷い、死亡したと結論づけました。
その結果、現在も写真の若い女性と男の子がどこの誰であるか全く謎のままなのです。
2013年事件の再捜査が始まる
残念ながら、2002年にタラの父親、そして2006年には母親が亡くなりました。
FBIはタラが見つかった時のために、母親のパティからDNAを採取しておいたとのことです。
亡くなったご両親は、最期までタラはどこかで生きていると信じていたようです。
そして2013年には連邦国土安全保障調査部、ニューメキシコ州警察、バレンシア郡保安官事務所、アルバカーキ警察、ベルナルリージョ郡が合同チームを組み、再捜査が開始されました。
チームの一員であるベルナルリージョ郡保安官ダン・ヒューストンは記者会見で、「テクノロジーは過去25年間で大きく変わりました。あの時、私たちができなかったことを今はやれるでしょう」と語っています。
謎の失踪事件。タラは生きているのでしょうか?