溶連菌
溶連菌感染症をご存知でしょうか?
小さい子どもたちの間で流行りやすい病気で、風邪の原因でもあります。
今回は溶連菌感染症について、詳しくご紹介します。
溶連菌感染症とは?
3歳~13歳の子どもに多く発症する病気で、秋の終わりごろから初夏にかけて流行します。
喉風邪に似ており、喉風邪の原因の2割が溶連菌感染症だといわれています。
溶連菌の症状
感染するとどのような症状が現れるのでしょか?
喉の痛みと38〜39℃の発熱をメインに、舌の腫れ(イチゴ舌)や、発疹、首筋のリンパ節の腫脹などが見られます。
このほか、頭痛や吐き気を伴うケースもあります。
のどの痛みと赤みが出やすく、また腹部や胸ほか、脇の下などに発疹が出ます。
溶連菌の合併症
溶連菌感染症には、急性期症状の3週間前後後に起こる「続発症」と言うものがあります。
合併症のようなもので、続発症の中で最も怖いのが「リウマチ熱」です。
国内ではほとんど見られない病気ではありますが、油断は禁物です。
発熱とともに、輪状の紅斑、心炎、舞踏病(不規則な不随意運動が起きる病気)といった症状が出た場合には、リウマチ熱を疑いましょう。
溶連菌の治療法
溶連菌感染症の治療は、抗生物質の服用です。
ただし、医師の指示に従って服用しましょう。
治ったと思って勝手にやめてはいけません。
適切な治療を行えば、24時間程度で熱がひき、他人への感染力も失われます。
しかし、抗生物質は7日から10日程度は飲み続けなければなりません。
やめてしまうとぶり返してしまうこともあります。
また抗生物質を飲んでも2日以上熱が下がらない場合は、他のウイルス性感染症を併発していることが考えられます。
こういう場合には、すぐに病院で診断を受けてください。
溶連菌の予防
保育園・幼稚園・小学校などで、溶連菌を持っている子どもは「100人中5人〜10人程度いる」といわれています。
予防することは難しく、症状は出ないけれど菌を持っている保菌者が多いようです。
また咳やくしゃみなどで簡単に感染することも、予防が難しい理由の1つです。
風邪などと同様で、集団生活の中で感染しやすいものだと思っておきましょう。
溶連菌と風邪
先ほども喉風邪に似ていると説明しました。
風邪と溶連菌の見分け方は、咳や鼻水が出ないのに、喉の痛みと発熱があることです。
咳や鼻水があると風邪ですが、それらがないのに喉が痛く熱が出ると溶連菌の可能性が高まります。
また溶連菌なのに風邪薬を飲むと、薬剤に対する耐性菌を増やしてしまったり、髄膜炎・肺炎・中耳炎などの病気の難治化にもつながります。
体に不調がある場合には、安易に判断せず、病院を受診しましょう。
溶連菌にかかったら
溶連菌感染症にかかると、喉の痛みが大きくなります。
喉が痛くなるので、食べ物や飲み物に気を使う必要があります。
熱いもの、冷た過ぎるもの、すっぱいもの、苦いもの、辛いものなど「喉への刺激が強い食べ物・飲み物」は避けましょう。
お粥や煮込みうどん、スープ、ヨーグルト、プリン、ゼリーなど「喉ごしと消化の良いもの」が最適です。
溶連菌のまとめ
溶連菌感染症は喉風邪に似ています。
鼻水や咳は出ないけれど、喉が痛く発熱がある場合には、溶連菌感染症を疑いましょう。
集団生活の中で感染しやすいものなので、予防が難しいです。
万が一、溶連菌感染症になった場合には、風邪薬などは効きません。
逆に悪化してしまったり合併症を引き起こす可能性があります。
溶連菌感染症が疑われる場合には、医師の診断を受けるようにして下さい。