5日、レバノンの赤十字(Red Cross)は同国首都ベイルートの港湾地区で4日に発生した大規模爆発の死者が100人を超え、負傷者は4000人を上回ったと明らかにしました!赤十字は「これまでに4000人以上が負傷し、100人以上が命を落とした。われわれのチームは現在も現場周辺で捜索や救助活動を続けている」との声明を発表しています!
レバノン政府は、爆発があった倉庫で爆薬の原料にもなる硝酸アンモニウムが安全対策もとられないまま、推定で2750トンも放置されていたことを明らかにしました。その上で、責任を負うべき者を見つけ出し、最も厳しい罰を与えるとしています。
硝酸アンモニウムは、工業用に製造されている化学物質で常温では結晶の状態。農業では化学肥料として広く使われており、日本でも大手化学メーカーなどが製造しています。ロケットの推進剤や自動車のエアバッグを膨らませる材料として一部で用いられてきたそうです。
しかし一方で、可燃物と混合させると強い爆発力を生み出すので、適切に保管されないと大きな爆発事故につながることから日本では、消防法で「危険物」として規制の対象となっています。
今回爆発が起きた港は、近くに高級ホテルやショッピングモールなどが建ち並んでおり、レバノンの首都ベイルートの中心地に位置します。現場からおよそ2キロ離れた地区は官庁街でレバノン首相府や日本大使館などもあります。
ちなみにおよそ1キロ余り離れたところには、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン容疑者が逃亡直後、住んでいたとされる住宅もあるそうです!
爆発があった地点から800メートルほどの地区で和食店を経営する日本人の話によると、「ランチ営業のあとの休憩時間で店近くの自宅にいたが、爆弾が落ちたような衝撃だった。爆風でガラスが割れて従業員4人が切り傷を負った」と話しています。
また周辺の様子は、「現地はがれきの山になっていて、車で逃げようとする人たちで道路は渋滞して、救急車もなかなか進めない状況だった」とも明かしています。
レバノンでは新型コロナウイルスの影響で外出制限が続いていましたが、4日と5日の2日間は、店の営業が認められていたようで、多くの人が飲食をしていたそうです。
生存者の中には、イスラエルから爆撃を受けていた頃や、自動車爆弾を使用した事件が多発していた頃を思い出し、動揺したと話す人もいたようです。
このような衝撃的な写真の数々を見ると、広島市への原子爆弾投下を思い出させ、16万人以上が犠牲になった凄まじさに恐怖を憶えます….。救出活動でひとりでも多くの人が助かることを祈ります。