岡澤均氏は日本の脳神経研究者です。組織レベル、細胞レベルそして分子レベルでの脳神経の動きを調べる研究をしていて、その主な研究対象は、アルツハイマー病、 ポリグルタミン病などの神経変性疾患です。岡澤均氏はこの分野での成果を着実に挙げていて、その発表論文がイギリスの科学誌「ネイチャー」編集部が選ぶ注目の論文に選ばれたこともあるほどの世界的な研究者です。岡澤均氏の研究によって、認知症の大きな部分を占めるアルツハイマー病の治療に繋がるのではないとも期待されています。
東京大学医学部から海外での研究生活を経て東京医科歯科大学へ
写真:名古屋市立大学
写真:2016 国公立大学入試 偏差値
岡澤均氏は、東京大学医学部を卒業しました。そのまま東京大学病院に籍を置いて研修医、医局員となります。
この間にES細胞分化、iPS作成に主要な役割を果たす遺伝子を発見して博士の学位を取ります。
写真:国立環境研究所
写真:男性不妊・妊活
その後、ドイツを代表する世界的な科学研究機関であるマックス・プランク研究所の常任研究員として神経細胞の研究を続けました。
写真:Framepool
この頃までは、疾患に直接関係するような研究ではありませんでしたが、その後再び東京大学医学部に戻ると、神経細胞に異常が発生する病気のメカニズムを分子レベルで解き明かす研究へと本格的にシフトしていきます。
2000年にはアルツハイマー病患者で特定のたんぱく質が増えている事を発見して学会で注目を浴びます。
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更にこの時期から、神経変性疾患と共に発生原因が不明な精神の発達が遅れてしまう精神遅滞や産まれる時の脳の発達障害である小頭症などにも研究の幅を広げていて、病気の面から脳神経研究を行う一級の研究者としての道を確立します。
写真:日経トレンディネット
岡澤均氏はその後、東京医科歯科大学に移って教授となりました。現在は、同大学の 脳統合機能研究センター長です。
写真:東京医科歯科大学
東京医科歯科大学で指導的地位となった後も、次々と新たな発見を発表してこの分野に貢献し続けています。まさに世界における脳神経研究の第一人者といえるでしょう。
岡澤均氏の主な研究成果
写真:neuroscience2017.jnss.org
岡澤均氏は若い時期はiPS細胞にも関係する研究を行っており、脳神経というよりも細胞生物学に近い分野での研究者という意識が強かったようです。
しかし、ドイツから帰国後は積極的に脳疾患の分野に関わって行きます。岡澤均氏の疾患への研究アプローチはその得意分野を活かして、細胞レベル、分子レベルでの動きの解析が主です。細胞の動きに関してはタンパク質が大きな役割を果たしている事が分かっていますが、具体的にどんなタンパク質が細胞の異常を引き起こしているかを特定する事で、疾患治療の糸口がつかめると期待されています。
岡澤均氏は2000年に神経疾患における異常タンパク質の増加を特定しましたが、2006年にはこのたんぱく質が神経細胞のDNAを傷付けて異常を発生させるメカニズムを解明しました。
更に研究は進み、ハンチントン病や
写真:脳科学辞典
写真:闘うSCD
小脳失調症を引き起こす
写真:堂島針灸接骨院
たんぱく質とその仕組みについても次々と明らかにしています。
岡澤均氏の研究成果が世間一般から注目され始めたのは2014年ごろからで、これは岡澤均氏がアルツハイマー病の早期発見に繋がる研究成果を発表したためです。この成果を応用すれば、アルツハイマー病の前兆が分かり、治療や病気遅らせる事が出来ると期待されたために大きな注目が集まりました。
更に研究は進み、遺伝子治療の臨床研究も行ってかなりの成果を上げ始めています。
まとめ
写真:natureasia.com
岡澤均氏の研究は、現代人の大きな疾患的脅威である認知症の予防や治療に繋がるとの期待を集めています。実際に遺伝子治療の実験も開始されており、難病治療にかなりの成果があるとの報告もされ始めています。高齢者の5人に1人が罹患するとも言われて、その介護に多大な負担が危惧される認知症の予防や治療の研究は一人ひとりの健康的な人生を助けるだけでなく、社会への大きな貢献となるものです。岡澤均氏の研究成果が早く一般に応用される事が待たれています。