いきものがかりという音楽グループの作曲を担当している水野良樹さんには、独自の作曲論があります。曲のド頭にサビがくるケースが多い特徴がありますが、これにはワケがあります。音楽や作曲に興味のある方であれば、そのワケを知りたいと感じてしまうと想像することができます。良い音楽や良い歌を目指すため、ミュージシャンの方々は日常的に作曲の苦しみを味わっていることでしょう。水野良樹さんの作曲論を理解することができれば、作曲に関するヒントを得られると考えています。
水野良樹さんが曲を作る際の手順について
写真:ikimonogakari.com
写真:J-Wave
水野良樹さんが曲を作る場合、ある手順に従って作っています。
まず、彼はサビだけを10個から20個程度作り、多いときには20個以上のサビを考えます。
締め切りまでの期間が1週間であれば、長い場合で4日目ぐらいまでサビだけを作ります。
彼は極端なサビ至上主義者であると言うことができます。
一般的なポップミュージックは、AメロがありBメロがあるというAB方式の後にサビがくるという3段構造が主流になっています。
しかし、水野良樹さんはサビが一番重要であると考えており、彼の曲の中にはAB方式ではないものもあります。
いきものがかりの中でも軽快なヒット曲を例として挙げた場合、Aメロとサビの繰り返しが続きその後で大サビがくる展開になっています。
彼は、このようなサビを数多く作りたいと考えており、以上のような手順で曲作りに励んでいます。
彼の曲作りには自分内オーディションという手順もあります。
たくさん作ったサビの中から彼自身が納得できて好きになれるサビに絞り込みます。
そして、絞り込んだサビの中からAメロやBメロを作っていきます。
ここで理解することができる点は、AメロやBメロも選りすぐられたメロディーであるため曲のどの部分もキャッチーな印象に仕上げられるということです。
この手順で曲を作っている他のアーティストの方もいるかもしれませんが、なかなか画期的な方法だと感じます。
曲のド頭にサビがくるワケについて
写真:kyusanko.co.jp
水野良樹さんが作る曲にはド頭にサビがくる曲が多い特徴がありますが、そのワケには路上ライブが関係しています。
写真:NIKKEI STYLE
いきものがかりが有名になる前、彼らは路上ライブを行っています。
路上ライブを聴くために集まっている方々の心をつかむためには、曲の出だしが大事であると水野良樹さんは考えています。
曲のド頭にサビがくれば、聴いている方々に大きなインパクトを与えることができます。
そして、いきものがかりという音楽グループを覚えていただくことにつながります。
これが、曲のド頭にサビがくるワケです。
写真:転がる石のように第二章
写真:Yahooブログ
インパクトのないAメロやBメロを聴かされたお客さんは、音楽的な魅力がないバンドだと感じ路上ライブの場から離れてしまう可能性があります。
その足を引き止めるためには、やはり曲のド頭にインパクトのあるサビをもってくる必要があったのだろうと考えられます。
実際、自分のお気に入りの曲になったケースを想起してみれば、曲の最初で惹きつけられた場合が多いです。
いきものがかりのキャッチーな曲が生まれた背景には、彼の努力と磨き上げたセンスによって成し遂げられる職人技があったと感じられます。
また、彼には疾走感のある曲や陽気な曲のイメージに合うコード進行の型を選ぶ能力もあります。
音楽の基本的なポイントを知っているからこその職人技なのかもしれません。
彼が作る音楽については、これからも継続してチェックしたいです。
まとめ
写真:nihongogo.com
ヒットする曲には、何か見えない法則のようなものがあると感じます。いきものがかりの曲を手掛ける水野良樹さんは、ヒットする曲を作るためのノウハウを熟知しているのではないかと想像してしまいます。サビを数多く作るという作曲論は斬新だと感服します。アーティストであれば誰でも実施している方法になるのかもしれませんが、素人の感覚としてはプロとしてのこだわりや音楽に対して真摯に向き合う姿勢に驚かされます。水野良樹さんには、これからも素晴らしい曲を作り続けていただきたいです。